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3年の助走から 次のステップへ

3年の助走から 次のステップへ

地方独立行政法人 桑名市総合医療センター
登内 仁 病院長(とのうち・ひとし)

1984年三重大学医学部卒業。
同大学大学院医学系研究科先端的外科技術開発学准教授、
三重県立総合医療センター副院長、桑名市総合医療センター副病院長などを経て、2021年から現職。


三重県北部の2市2町で構成される桑員地区で急性期医療を担う桑名市総合医療センターの病院長に、2021年4月、就任した。「まだ若い病院。現場のアイデアを積極的に取り入れて成長したい」と抱負を語る。

官民統合経て 機能向上を実感

 桑名市総合医療センターは2012年、市立の桑名市民病院と民間の2病院が統合し、地方独立行政法人として誕生した。18年に分散していた3病院を集約し、新病院がオープンした。

 登内仁病院長は、統合により診療機能が飛躍的に向上したと実感しているという。「外科、内科とも得意分野を持ち寄ることで、幅広い領域をカバーできるようになりました。桑員地区で400床規模の施設は当院のみ。急性期医療の担い手としての役割は、今後も死守します」

 柱の一つである救急の強みは、ホットラインだ。脳卒中と循環器で専用ホットラインを設け、救急隊や開業医からの電話を直接専門医へつなぎ、迅速に受け入れの判断などをしている。救急科の体制見直しにも着手。外科系診療科の横の連携を強固にして、外傷の診療に注力していく。

 現在は11人いる初期研修医についても、救急をさらに充実させ、教育に力を入れることで、初期研修医に選んでもらいやすく、専攻医に残ってもらえる病院を目指す。

がん医療を充実 施設認定目指す

 今後強化するのは、がん診療だ。「薬物療法は日進月歩で、外科医でも薬物療法の知識がなければベストな医療を提供できません。集学的医療の質を高めたいですね」。例えば、乳がんであれば乳房形成まで担うなど、多岐にわたるニーズに応えるために手を尽くしていく。2021年度中には、三重県のがん診療連携準拠点病院の認定を目指して申請を行う予定だ。

 NICU(新生児集中治療室)9床を擁する周産母子センターについても、地域周産期母子医療センターの認定を目指す。「能力、実績は十分にあり、クリアしなければならないのは、当直体制。三重大学と小児科の人員補充の話し合いを続けているところです」


ボトムアップで提案型の枠組みを

 新病院の誕生から3年余り。「開院時の興奮状態が覚め、これは改善した方がいいのではないかと思う点も出てきました。現場の声を生かして、ボトムアップ方式で改善していきたいと思っています」

 例えば救急科なら救急搬送の受け入れ件数をどう増やすかなど、各部署に目標値と改善策を提示してもらう。物品購入は、申請者のプレゼンテーションを皆で評価する。そんな提案型の枠組みを作りたいという。

 肝に銘じているのは、診療部、看護部、事務など各組織の特性を理解し、「横やり」を入れないこと。「まずは任せる。現場で考えてもらうことでボトムアップの形ができれば、いい組織になるはずです」

 同時に心掛けていることは、早いレスポンスだ。「やるべきだと思ったら、すぐに伝える。3日も返事を保留すると、イエスのつもりがノーと伝わることもある。リアクションが早ければ、その分、次の段階へすぐに進めます」

 長年、消化器外科医として歩んできたが、病院長就任と同時に、メスを置いた。「サッカーで例えると、外科医はフォワード。内科医のパスがあって、ゴールを決めることができる。これまでいいパスばかり回してもらえて、感謝しかありません」と振り返る。

 多様な選択肢があふれる時代に、何が可能で、何が最善なのか考え抜いてきた経験を、これからは病院運営に生かしていく。



地方独立行政法人 桑名市総合医療センター
三重県桑名市寿町3-11 ☎0594-22-1211(代表)
https://www.kuwanacmc.or.jp/

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