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鹿児島大学大学院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教室 働きやすい環境を醸成 人材確保へ多様な試み

鹿児島大学大学院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教室 働きやすい環境を醸成 人材確保へ多様な試み

山下 勝 教授(やました・まさる)
1996年鹿児島大学医学部卒業。米ウィスコンシン大学、
京都大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科助教、
静岡県立総合病院頭頸部・耳鼻いんこう科部長などを経て、2020年から現職。

 「若い先生たちが生き生きと仕事ができる環境づくりに注力する」。鹿児島大学大学院の耳鼻咽喉科・頭頸部(とうけいぶ)外科学教室の山下勝教授は、2020年の就任当初、働きやすい環境づくりを目標に掲げた。達成のため、どのような取り組みをしているのか聞いた。

―就任以来、どのようなことに取り組んできたか。

 まず、これまで毎日行っていた臨床カンファレンスを週1回に減らしました。これは、働き方改革の取り組みの一環で、削減した時間を、研究面の強化に充てるという狙いもあります。

 削減した分は、メールで情報共有することで補完しています。カンファレンスを減らした代わりにメールはこまめに確認するように伝えて、見逃しの防止を図っています。

 業務のマニュアル化、文章化にも取り組んでいます。明文化することで、誰が見ても一定水準のことが同じようにできるようにするのが狙いで、その都度聞かなくても、データベースを参照すれば把握できるので、効率化も図れます。

 手術で採取した検体の管理方法や、特定の疾患に必須となる検査項目など、人によってずれがあってはいけないものをマニュアル化しています。こうした基本的な事項に加えて、当科独自のルールも共有できるようにしたい。内容は多岐にわたり、かつ時間とともに古くなるので、絶えず最新の情報にアップデートし続けてより完成度の高いものを目指しています。

―人材の育成と確保で心掛けていることは。

 若手が相談しやすい環境づくりに力を入れています。まず、相談しやすい雰囲気を醸成することから着手しました。私たちの方から共有するスタンスを持たないと、若い世代には伝わらないと考え、オープンな場でのディスカッションを経て、治療方針や教室の運営方針を定めるようにしました。

 意見を出しやすい雰囲気にすると、偏らずにさまざまなアイデアが集まり、若手がどこでつまずいているかも気付きやすい。綿密にコミュニケーションを取って意見をすり合わせることが重要だと思っています。

 医学部生と初期研修医に向けて当科のアピールをする際に心掛けているのは、「聞きやすい環境」であることです。医学部生の臨床実習では、毎日最低でも一つは質問してもらうルールを設定。質問を前提とすると、学習への姿勢も変わるものです。私は臨床実習の責任者を務めていることもあり、「どうすれば一番彼らのためになるか」という発想から取り入れました。

 当科で行う臨床実習は期間が最短2週間ほどと短いので、漠然とでも「なんだか楽しかった」というイメージを抱いて終えてもらうことが重要です。医局員、特に教員は、必ず学生の名前を覚えて呼ぶようにしています。「認識されている」「気にかけてくれている」とより感じてもらうためです。

 当科は、初期研修の必修ではなく2年目の選択科目なので、医学部在学時から選択肢の中に入っていないと選ばれる可能性は低いと考えています。臨床体制を充実させるためにも、人材確保は最優先課題。いかに短期間のうちに印象付けて、入局してもらえるかということに心を砕いています。

―人材確保に向けた情報発信で工夫している点は。

 コロナ禍で、対面での説明会が開催できず、情報発信の機会が不足しています。そこで、オンラインの説明会開催やSNSのフェイスブックを開設。さらに動画投稿サイト・YouTubeで当科の公式チャンネルを立ち上げ、3月に紹介動画の配信を始めました。

 年齢や立場が近い方がより伝わりやすいと考え、後期研修1年目のスタッフが手術に臨んだ感想などを紹介しています。ウェブ上での情報発信は、関心がある人に届きやすい効果的な方法を模索しながら、今後も発信を続けていきます。

鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教室
鹿児島市桜ケ丘8―35―1 ☎099―275―5111(代表) http://www.kufm.kagoshima-u.ac.jp/~ent/

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