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患者減少を 改革のチャンスに

患者減少を 改革のチャンスに


浦野 文博 院長(うらの・ふみひろ)

1985年名古屋大学医学部卒業。
大垣市民病院、名古屋大学医学部第2内科を経て、
1996年豊橋市民病院入職、2021年から現職。

 豊橋市民病院が現在の豊橋市青竹町に移転した1996年に入職。それから四半世紀、病院とともに歩み、2021年4月、院長に就任した。「これからが恩返し」と語る、浦野文博院長の思いとは。

若い人が自由に発言できる環境を

 約70万人が暮らす東三河南部医療圏の中で、800床を擁する豊橋市民病院は、高度急性期病院として、救急、、周産期、災害医療などで中心的な役割を担ってきた。「ここで地域の医療を完結させる。それが、当院のミッションです。より多くの患者さんを受け入れて、最善を尽くしていきます」

 職員に向けた就任のあいさつでは、若い人が自由に発言できる環境をつくりたいと宣言した。「それが、組織の発展に最も大切だと思っています」

 「今の自分があるのは、上司や環境に恵まれたから」という思いが強い。「若い人にも、できる限りストレスのない状態で働いてほしい。仕事の足かせになる『働かされ感』をなくし、より働きやすい環境づくりを目指す。一番の仕事です」。恩返しのつもりで臨みたいと話す。

 80人ほど在籍する初期研修医や専攻医は、病院の活力の源泉だ。最近、伝えた言葉がある。「あなたはこの病院で一番、成長できる人間だと思ってほしい。看護師にも技師にも、進んで聞きなさい。答えを知っている人は必ずいるから」。いつか、誰かの役に立つ人間になってほしい―と願いを込める。

基本に立ち返り足元を固める

 今、懸念しているのは、コロナ禍による患者の受療行動の変化だという。「入院、外来とも患者さんは約10%減りました。受診控えは今後も続き、以前の水準にはもう戻らないのではないか。カバーする手立てを考える必要があります」

 収益向上のためにまずやるべきは、診療請求の精度を上げること。以前より改善されたものの、指導料や管理料などの請求漏れは防ぎきれていないからだ。「ここは改めて手を入れたい。まずは足元から細かく見直していく。地味ですが、大切な一歩です」

 地域医療連携の強化による紹介率向上も目指す。副院長時代、紹介受付時間を午後5時までから同7時に延長したところ、予約の10~20%がその時間帯に入るようになった。開業医が任せたいと思える体制をさらに整えたいという。

 「大切なのは、紹介の返書を早く適切に書く、という基本です。1年かけて返書管理を行った結果、改善率は順調に上がりましたが、問題は今後。第2の手を考える時期です」

 重要なのは、普段からのコミュニケーション。コロナ禍で顔を合わせづらいからこそ、定石のやりとりを丁寧に行いたいと話す。何事も、仕事の基本に立ち返り、地固めする。運営面の改善はそこから着手していく構えだ。

枠にとらわれない働き方改革を

 患者の減少は、働き方改革を推進するきっかけになり得るとも話す。「時間外勤務が多いのは、主に消化器内科と整形外科。突き詰めれば需要と供給の問題です」。医師の数を増やせば解決するが、そう簡単にはいかない。「タスクシフティングをどこまで進められるか。フレックスタイム制の導入も可能かもしれない。枠にとらわれず、議論できればと思います」

 院長とは、プラン実現の旗振り役であり、交渉役。少しでもいい結果につながるよう、後悔を残さない行動を心掛けたいと話す。その原点にあるのが、「自分に恥じることはしない」こと。「いつも、お天道様の下を堂々と歩いていたい、それだけですね」


愛知県豊橋市青竹町八間西50
☎0532ー33ー6111(代表)
https://www.municipal-hospital.toyohashi.aichi.jp/

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