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徳島大学大学院医歯薬学研究部 消化器・移植外科学 胃・大腸がんロボット支援下手術 各100例達成

徳島大学大学院医歯薬学研究部 消化器・移植外科学 胃・大腸がんロボット支援下手術 各100例達成

徳島大学大学院医歯薬学研究部 消化器・移植外科学
島田 光生 教授(しまだ・みつお)
1984年九州大学医学部卒業。米ピッツバーグ大学留学、
九州大学医学部附属病院(現:九州大学病院)第二外科講師、
同大学大学院消化器・総合外科助教授などを経て、2004年から現職。


 徳島大学の消化器・移植外科学は、胃がん、大腸がん双方でロボット支援下手術100例を達成するなど、独自の戦略でオンリーワン、ナンバーワンの分野を磨いて活路を切り開いてきた。島田光生教授に運営方針や教育面で重視していることを聞いた。

―教室の運営方針や強みは。

 地方にある大学であっても、日本トップレベルの技術や知識で治療を行うことを目指すのが、当教室のモットーです。教室運営では、他の地方大学と同じことをするのではなく、戦略を立ててオンリーワン、ナンバーワンの分野をつくれないかということを常に意識しています。

 当教室では、2021年3月、手術支援ロボット「ダビンチ」を用いた大腸がんの手術件数が100例に達しました。胃がんも既に100例を超えており、目標としていた大腸がん、胃がん双方で、中国・四国の医療機関で最多の100例に到達することができました。

 目標を達成したことで、上部消化管だけでなく、下部についてもバランス良く症例を重ねているということを全国に向けて広くアピールできたのではないかと思っています。今後も症例数を重ねながら、後進に診療技術を指導していきます。関連病院についても、症例の「選択と集中」を目指して、病院ごとの得意分野を見極めて特徴を出していけたらと考えています。

 われわれが手術をする患者さんの多くは後期高齢者です。糖尿病、呼吸器疾患、心筋梗塞、腎不全などの併存疾患を持っている方が大半を占めます。ハイリスクの早期のがん患者さんに対しては、術前の管理に力を入れています。在宅だと食事が偏りがちで、能動的に体を動かす機会も限られる。術前の1カ月ほどの期間、栄養療法や筋力アップなどに取り組んでもらってから手術しています。
 
 そうすると体調が良くなり、合併症を起こしにくい。術前から長期的に患者さんと向き合っていることは強みで、この強みをうまく生かして治療成績の向上につなげていきたいと思っています。

―教育面で重視していることは。

 私は毎日回診をして、自身の判断を若い医師に伝えるようにしています。若い医師はガイドライン通りに手術を進めようと考えがちですが、例えば併存疾患のあるハイリスクな患者さんについては、しゃくし定規にガイドラインを守ればいいというわけではありません。

 ガイドラインは一定の指針として、リスク因子を詳細に見極め、患者さんが自分の両親や祖父母でもその方法を採用するかを念頭に判断するように伝えています。また、内科的な専門性も備え、知識を持ってしっかり判断ができる外科医になってほしいと思っています。

 コロナ禍で医学部生は臨床実習の機会が限られています。オンライン上で実際の手術映像を見て、その手術に関するレポートを書いてもらってフィードバックをするなど、なるべく現場の臨場感に近付けて、モチベーションを保ってもらうようにしています。今後も工夫して「ニューノーマル」に対応していきます。

―研究面での取り組みは。

 がんが悪化する要因について、がん細胞だけでなくリンパ球なども含めたがんの微小環境に着目した研究をしています。また夢のあるヒト膵(すい)のβ細胞や肝細胞の再生医学研究にも力を入れています。

 研究にも力を入れているのは、若い医師に「アカデミックサージャン」になってほしいという思いが根底にあるからです。 同じ手術をしても合併症を発症する人しない人がいて、発症させないためには何が必要なのか。それを考えるためにはリサーチマインドを養うことが大事で、臨床に即した研究を進めています。私が任期を終えるまでに再生医学研究にも道筋を付けたいと考えています。

徳島大学大学院医歯薬学研究部 消化器・移植外科学
徳島市蔵本町3―18―15
☎088―631―3111(代表)
http://www.tokugeka.com/surg1/

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