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患者さんにやさしく 職員が幸せな病院に

患者さんにやさしく 職員が幸せな病院に

社会福祉法人 恩賜財団 済生会 静岡済生会総合病院
岡本 好史 病院長(おかもと・よしちか)

1988年名古屋大学医学部卒業。
同第一外科、米オハイオ州立大学バイオテクノロジーセンター、
中部労災病院などを経て、2008年静岡済生会総合病院入職、2021年から現職。

 医師人生の出発点となった静岡済生会総合病院に、2008年、再び入職。副院長を7年間務め、2021年4月、病院長に就任した。新たなリーダーとして、愛着を持って勤めてきた病院を、どのように導くのか。

対話を繰り返し頼られる病院へ

 入職後から長年、医療安全管理などに携わってきた。副院長時代に力を入れたのが、地域との連携だ。「医療圏は静岡市と周辺市町で、ここは競合する医療機関が多い地域です。当院の立ち位置を周知し、患者さんに来ていただかなければ、経営は成り立ちません」

 そこで取り組んだのが、地域の診療所や開業医のもとへの直接訪問だ。病院のコンセプトを説明し、生の声を拾いながら、顔の見える関係を築き続けた。「当院に来る機会がない患者さんの声や、患者さんを当院に送ってもらえなかった理由が知りたい。繰り返し、話を聞きました」

 その後も、ヒアリングを継続し、問題点を洗い出して対処を重ねた。紹介患者の返書に対する意見も聞き、フィードバックしている。だが、まだ強化の余地はあるとみる。「選ばれる病院であるために、どんなことにでも先頭に立って取り組むつもりです」

安全や医療の質向上の機能をセンターに集約

 職員に、目指したい病院像を二つ掲げた。一つ目は、「患者さんにやさしく、安心してかかれる病院」。医療レベルをより高めようと、就任と同時に「医療の質管理室」を立ち上げた。「ここに診療科ごとだったクリニカルパスを集約し、QI(医療の質の評価)への意識を高めるための取り組みを行っていきます」

 地域の安心の担い手として来るべき災害に備え、「災害対策室」も新設。DMATと連携し、対策を講じていく。DMATは院内で新型コロナウイルス感染症のクラスターが発生した際に、感染状況の把握や情報伝達の役割を担い、早期収束に貢献した。これらに既存の「医療安全管理室」「感染対策室」と合わせて、TQRMセンター(トータル・クオリティー&リスク・マネジメントセンター)も設置。医療の質と安全性を担保していく構えだ。

 自身の専門分野でもあるがん治療について、診断から緩和ケアまで担う「がんトータルケアセンター」の充実もさらに図っていく。

 二つ目の目標は、「職員が楽しく働き、幸せを感じることのできる病院」だ。「職員の声を聞き、心配、不安、不自由といった胸の内をどう拾い上げていくかが課題です」。誰が何を我慢して、どこに負担がかかっているのかなど、意見を集め、働き方改革にも反映したいと考える。

 これらの実現に欠かせないのが、接遇とコミュニケーション。「具体的には、あいさつ、声掛け、笑顔です。今すぐできて、コストもかからず、患者さんも、職員同士も、気持ちが良くなります。医療安全や感染対策と合わせて、職員に繰り返し発信していくつもりです」

患者と職員のための病院であり続ける

 高校、大学はラグビー部に所属。手ごわい相手に立ち向かう環境で培われた体力、精神力は、外科医としての礎となる。

 その後、初期研修で静岡済生会総合病院へ。回診をともにした初代の病院長の姿が、自身の原点となった。「例えば、名札を付けていない看護師には、名札は自分の名前に責任を持つことであると、説いていました。また、不要な照明はすぐに消す。これは常にコストも意識すると同時に、病院長として職員とその家族を守る責任を自覚していたからだと気づかされました」。目指すは、患者と職員が幸せでいられる病院。その実現へ向け、踏み出したばかりだ。



社会福祉法人 恩賜財団 済生会 静岡済生会総合病院
静岡市駿河区小鹿1ー1ー1
☎054ー285ー6171(代表)
https://shizuoka-saiseikai.jp/

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