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信州大学医学部 運動機能学教室(整形外科) チームで難治症例に対応 ロコモ防ぐ疫学調査も

信州大学医学部 運動機能学教室(整形外科) チームで難治症例に対応 ロコモ防ぐ疫学調査も

信州大学医学部 運動機能学教室(整形外科)
髙橋 淳 教授(たかはし・じゅん)
1992年滋賀医科大学医学部卒業、信州大学整形外科入局。
米カリフォルニア大学サンディエゴ校留学、
信州大学医学部運動機能学教室准教授などを経て、2020年から現職。


 信州大学の運動機能学教室は、脊椎や上肢など六つのチームで、より安全な運動器医療の確立を目指している。髙橋淳教授に、教室の強みや、自治体や町民などと一体で取り組む健康疫学調査について聞いた。

―教室の強みは。

 当教室は、、上肢、下肢、腫瘍の各疾患班に加え、関節リウマチ・骨粗しょう症チーム、重度四肢外傷再建チームにより構成され、幅広い症状、疾患に対して日本トップレベルの医療を提供しています。治療が困難な難治症例については、長野県内のみならず全国から紹介を受けています。

 研究分野では、2020年は過去最多の61編の英字論文を発表。2021年度は科学研究費助成事業に6件が採択されました。脊椎外科分野では1996年に国内でいち早く脊椎手術にナビゲーションシステムを導入。コンピューター支援手術に力を入れてきました。

 2018年からはハイブリッドナビゲーション手術室が稼働。高画質な透視・3次元CT画像を撮影できるロボットアームのついたエックス線装置が設置され、手術中のCT画像を用いたナビゲーションシステムを稼働させることが可能に。私たちのハイブリッドナビゲーション側弯手術の成績は、海外の学術雑誌にも掲載されました。

―「おぶせスタディ」の取り組みについて。

 信州大学医学部附属病院での治療以外にも、同院リハビリテーション部、県北部の小布施町、特定医療法人新生病院と共同で、14年から運動器健康疫学調査「おぶせスタディ」を行っています。住民基本台帳から無作為抽出した50歳以上の町民について、栄養状態や運動能力、骨関節の変性や骨密度などを詳細に調べ、寝たきり・要介護予備群とされるロコモティブシンドロームやフレイルの実態について調査を進めています。

 2017年に第1期調査が終了し、その成果を複数の学会や海外学術雑誌(13編)に発表。2021年度から第2期調査を開始させる予定です。

―教育面での特徴は。

 学生教育は、大学内の教員に加え、同門医師にも依頼し、臨床に直結する実践的な指導をしています。若手医師の海外、国内留学も積極的に支援しています。国内外問わず幅広く、各領域のスペシャリストのもとで学び、最終的に長野県に還元するというコンセプトでチームづくりをしています。リサーチマインドにあふれた国際的医療人の育成にも力を入れています。

 私の10年の任期の間に、多くの若手医師に整形外科医の道を選択してもらえるよう努めます。関連病院では積極的に分野別の集約化を進め、中核病院では各領域の指導医が2人以上在籍する研修指導体制を構築して、効率的な研修とゆとりある勤務形態を目指し、働き方改革に対応したい。女性医師に対しても、ワークライフバランスが整った職場にしたいと思います。

―今後は。

県下の整形外科全体を指導する立場となり、全ての疾患班が一流のチームになるようさらに精進します。若手医師には多くの関連病院で幅広く研修してもらい、頑張る人をより応援する教室にしたいと考えています。

 県全体の整形外科医療に関しては、各関連病院の特徴を生かしつつ積極的に集約化を進める一方で、医師不足の地域に配慮し、バランスの取れた医療供給体制を構築することで、全国水準を凌駕(りょうが)する診療レベルを目指します。

 さらに地域の整形外科医がモチベーションを保って働ける環境に配慮し、長野の皆さまに信頼される整形外科を目指したい。当教室が安全で先進的な治療が受けられる医療機関として広く認知され、患者さんが期待を持て、医師にとっては魅力的な存在になるようにしていきたいと思います。

信州大学医学部 運動機能学教室(整形外科)
長野県松本市旭3―1―1
☎0263―35―4600(代表)
https://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/medicine/chair/i-seikei/

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