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強み生かし 個性が光る病院に

強み生かし 個性が光る病院に

独立行政法人国立病院機構 大阪医療センター
松村 泰志 院長(まつむら・やすし)

1985年大阪大学医学部卒業。大阪警察病院、
大阪大学大学院医学系研究科情報統合医学講座医療情報学教授、
同大学医学部附属病院病院長補佐などを経て、2021年から現職。

 医療情報学の専門家である松村泰志氏。電子カルテを開発して大学病院に導入するなど、医療現場にITの活用を広めてきた。これまでの知見や経験を、院長としてどう生かしていくのだろうか。

得意の数学生かす 医療解析に熱中

 高校時代の得意科目は、数学と物理だった。工学部と迷ったが、大阪大学医学部へ進学。そこで医療統計の講義を受けたことが、後の道を決定付ける。「数学が医学にも役立つことを知った。深掘りしたいと興味を持ちました」

 医療統計を学んでいた医学部生時代のある日、人工知能の本に出合った。「これは面白そう」と、すぐに友人とチームを結成。脳神経外科医の父親が得意としていた頭痛・顔面痛などの診断についてノウハウを教わり、コンピューターでプログラミングして自動で診断できるシステムを開発した。

 卒業後は、医学部生時代の恩師がいた第一内科の教室に入った。大阪警察病院では、循環器内科医として最前線の現場を経験。転機が訪れたのは、1992年、大阪大学に戻って心臓の研究に取り組んでいた頃だった。同大学医学部附属病院が移転することに伴い、新病院のコンセプトである「インテリジェントホスピタル」を実現するため、コンピューターシステムの導入に助手として携わることになった。

 93年、大学病院は大阪市福島区から大阪府吹田市に移転。電子カルテの開発や画像管理システムの導入を進め、2010年、全ての診療データをコンピューターで管理できるようにした。17年かけてペーパーレス化を達成し、同年、医療情報学の教授に就任した。

高度な研究強み 魅力を発信したい

 教授就任後、すぐに臨床疫学統計の講義を開設した。組織的に臨床研究を行う基盤を作るためだ。電子カルテデータの研究利用に注力し、多施設連携の仕組みも作った。ゲノム情報学共同研究講座も開設し、国立がん研究センターで、がんゲノム医療のシステムデザインにも関わった。

 21年4月、大阪医療センターへの赴任が決まった。赴任して最も驚いたことは、研究レベルの高さだった。「神経の再生医療や下部消化管のがんゲノム解析など、高度な研究をやりつつ、臨床をしっかり行っている。魅力に感じました」

 国立病院機構の病院として、政策医療でHIV診療も担うのも同院の特徴の一つ。「新設した血友病科など、独自の領域もある。地域に求められる医療を行いながら、強みをさらに伸ばし、個性が光る病院にできればと思います」と力を込める。そのために欠かせないのが、病院を「見える化」することだという。「今後は広報に力を入れて強みを伝えたい。ITもうまく使ってアピールしていきたいですね」

コロナ対応に奔走 機動力高い組織目指す

着任早々、新型コロナウイルス感染症の第4波に見舞われた。重症患者用の病床を23床に、中等症用を16床に増床するなど診療体制の再編成を強いられた。「迅速に移行できたのは、職員同士の絆が強固だからこそです」

 臨床面では、現場を知り尽くす副院長や統括診療部長らの力量を高く評価している。「私はサポート役に徹するつもりです」。適材適所で、機動性の高いチーム運営を目指している。計画開始から長年経過している病院の建て替え事業を軌道に乗せることも、課せられた使命の一つだ。

 院長の役割を、オーケストラの指揮者に例える。「腕のいい演奏家はそろっている。うまくまとめて良いオーケストラにして、喜んでもらえるものを提供する。それが私の役目です」

独立行政法人国立病院機構 大阪医療センター
大阪市中央区法円坂2ー1ー14
☎06ー6942ー1331(代表)
https://osaka.hosp.go.jp/

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