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職員の負担軽減に努め 中等症以上受け入れを維持

職員の負担軽減に努め 中等症以上受け入れを維持

大分赤十字病院
福澤 謙吾 院長(ふくざわ・けんご)
1985年島根医科大学(現:島根大学)医学部卒業、
九州大学医学部第二外科入局。米マウントサイナイ病院、
大分赤十字病院外科部長、同副院長などを経て、2021年から現職。


 大分市を中心に、県内で最も人口が多い大分中部医療圏で、中等症以上もしくは人工透析の患者の受け入れを担う大分赤十字病院。受け入れ現状や対策などを福澤謙吾院長に聞いた。

コロナ患者の受け入れ、院内感染の対策

 現在は一般病棟49床を、14床(最大20床)のコロナ専用病棟に改修し、受け入れています。中等症以上は6人の呼吸器科医が担当。患者さんが軽快し、呼吸器科のマンパワーが厳しくなった場合には、他の診療科でも担当する形をとります。人工透析の患者さんはADL(日常生活動作)が落ちている方が多く、難しい判断が必要となる場合があります。中等症以上の受け入れ体制を維持するためにも、軽快した患者さんの軽症担当病院やホテル療養への移動を行政も交えて確立させることが急務です。

 院内感染対策は、感染、もしくは潜伏期の新規入院患者さんや職員からの持ち込みをいかに防ぐかが重要です。少しでも疑う症状や感染者との接触歴があれば積極的にPCR検査を実施していますが、潜伏期間もあり、入院後も疑わしきは即検査で対応しています。

 職員の感染は大きな問題です。2021年5月末までに3回、計4人の職員の感染が散発的に発生しました。昼食休憩で2人の感染の連鎖が発生しましたが、幸い患者さんへの感染は認めていません。どんなに注意をしていても、一定の確率で発生すると想定しておく必要があり、感染連鎖を断つことが重要です。最も感染リスクの高い食事の際の黙食とロッカーでの無マスクでの会話禁止は繰り返し指導しています。

 職員掲示板には、定期的に院長から新型コロナ感染に対する対応状況や感染対策の徹底のお願いなどを掲示。月例会や管理会議などでも情報提供し、各部署に伝わるようにしています。

職員の疲労軽減、一般救急などの両立対策も

 病院幹部が毎日当該病棟に必ず顔を出し、現場の声を聴き、問題点の解決に向け迅速に対応。いつも感謝の気持ちを声に出して伝えるようにしています。特に直接患者さんのケアに当たる看護師の負担は大きく、一般病床からの増員、有給休暇の積極的な取得など、負担軽減に努めています。

 一般救急などの両立では、副院長や感染対策チームの医師、薬剤師、感染管理認定看護師などのワーキンググループが、現状評価、問題点、対策などを討議し、病院幹部に報告の上、速やかに対応しています。

 全身麻酔の場合には全例直前にPCRを施行し、濃厚接触状況を入院時に確認。問題があれば入院の延期もあります。救急外来では少しでも新型コロナ感染の可能性があると感じた場合には、院内で迅速に検査を実施。24時間体制で検査できる機器(PCR2台、ID NOW2台)を増やして対応しています。

 新型コロナ感染に十分気を付けながら急性期医療は継続していきます。ステージ3の際には一般病床を15%縮小、ステージ4では20%縮小予定です。がん診療などの急性期治療が本来の役割ですので、根幹の部分は守りながら頑張ります。

働き方改革を推進

 感染状況が落ち着けば、グループ診療の推進に取り組みます。メディカルクラークや特定行為研修修了看護師へのタスクシフトも進み、数年前に比べると長時間の時間外労働を行っている医師は減っています。

 人口減少と高齢化、地域医療構想を考えた病院経営も必須です。大分県の他の医療圏と比べると人口の減少はこの20年間は緩徐で、急性期医療を要する患者さんの数もまだ減りません。

 地域の急性期医療の基幹病院として今後の20年はこれまで通りの規模の急性期病院としてやっていく予定です。その後は、人口数と医療需要に合わせたダウンサイジングが必要であろうと考えています。

大分赤十字病院
大分市千代町3―2―37
☎097―532―6181(代表)
http://www.oitasekijyuji.jp/

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