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形成外科への理解を深め 多様性のある人材を育成

形成外科への理解を深め 多様性のある人材を育成

長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 形成再建外科学
田中 克己 教授(たなか・かつみ)

1984年長崎大学医学部卒業。
山口県立中央病院(現:山口県立総合医療センター)、長崎大学医学部形成外科講師、
同大学院医歯薬学総合研究科形成外科学分野准教授などを経て、2015年から現職。


 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科形成再建外科学の田中克己教授は、多様性を重視した人材育成を念頭に、形成外科医療のPRにも力を入れようとしている。2021年4月に長崎市で開催され、田中教授が会長を務めた「第64回日本手外科学会学術集会」も含め、最近の取り組みを聞く。

─「第64回日本手外科学会学術集会」を終えて。

 本学術集会の開催地が長崎市に決定したのは2018年。そこから準備を進めてきましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により、予定していた内容とは大きく異なる形になりました。しかし、難しい状況の中でも、現地とウェブのハイブリッド方式で無事開催できたことは幸運だったと思いますし、参加された方々をはじめ、お力添えをいただいた関係者の方々、スタッフには感謝しています。

 開催を迎えるに当たり、正直なところ不安もありました。何よりも、本当に現地へ来ていただけるのか。受け入れ側としては安心・安全に最大限配慮していましたが、参加される方の状況はそれぞれです。勤務先が設けている条件、ご自身の考え方、参加後に地元へ戻る際の負担など、いくつかのハードルがあったと思います。

 それでも、開催中は合計で約480人に参加いただき、熱い討論を交わすことができました。後日行うウェブ配信は1700人以上の方にご視聴いただく予定で、とてもうれしく思います。会長として、時代に即した形の学術集会を開催でき、一定の役目を果たせたと感じています。

─教室運営について。

 人材の確保と育成を重視しています。人がいることで新たな臨床・研究が進みますし、教育のノウハウを将来に引き継ぐためにも人が必要です。

 ここ数年、当教室では毎年4~6人が仲間に加わり、さらに充実した人材が確保されています。彼らに望むのは多様性。全員が同じ方向ではなく、「臨床に力を入れたい」「大学院に進んで研究に励みたい」など、適性に合った道を選んでほしい。多様性のある仲間が多く集まることは結果的に、教室の底上げになり、地域医療の貢献にもつながっていくと信じています。

 長崎県は南北に長く、離島も多い県です。都市部の形成外科医療は比較的充実していますが、離島や県北部の患者さんはあまりフォローできていないのが現状です。今後は病病連携・病診連携を強化して、できるだけ多くの患者さんをサポートしたいですね。

 もう一つの課題として、医療関係者や患者さんの中には、「形成外科の医療」を知らない人がまだ多いと感じています。本来は形成外科での診療がベストでも、それを知らずに困っている人が意外と多いのです。今後、われわれは地域に向けて、形成外科ができることを分かりやすく、積極的にPRする必要があります。

─今後は。

 以前からの特徴である頭蓋顎(がく)顔面の治療、再建外科、手のさまざまな疾患に対する治療などに、引き続き注力したいと思います。

 今後は、長崎大学の特色の一つである「放射線障害」に、形成外科として関与を強めたいと思っています。放射線皮膚潰瘍をはじめ、被ばくによる傷の治療法や研究に有効ではないかと考えています。現在、千葉県の放射線医学研究所に教室員1人が留学していますので、その経験も還元してもらいながら取り組んでいきます。

 2023年4月26~28日の3日間、長崎市で「第66回日本形成外科学会総会・学術集会」の開催が決定しており、私が会長を務めます。この学術集会は手外科を含め、形成外科全般についての大きな勉強会です。良い形で開催できるよう、しっかりと準備を進めたいと思います。

医歯薬学総合研究科 形成再建外科学
長崎市坂本1―7―1
☎095―819―7200(代表)
https://www.med.nagasaki-u.ac.jp/plastics/

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