九州医事新報社 - 医療・医学の〝今〟を伝えて62年

街づくり中核担い 「八代モデル」確立へ

街づくり中核担い 「八代モデル」確立へ

独立行政法人地域医療機能推進機構
島田 信也 病院長(しまだ・しんや)

1980年熊本大学医学部卒業。米国立がん研究所主任研究員、
熊本大学大学院消化器外科講師、熊本市立熊本市民病院外科部長などを経て、
2006年から現職。独立行政法人地域医療機能推進機構九州地区担当理事兼任。


 熊本県八代市の熊本総合病院で9月、大規模増築工事が始まる。高度医療の充実を図るとともに、街づくりの中心的な役割を担い、街のランドマークとして機能させたい考え。島田信也病院長に増築の概要と狙い、その根底にある思いについて聞いた。

─大規模増築の概要は。

 当院は2013年に現在地に新築移転しました。旧病院から比べると広さが半分近くになり、かなり手狭で、職員には我慢してもらっているというのが本音です。そこで、15年に隣接地の5300平方㍍を取得しました。延べ床面積は既存部分の3万3500平方㍍に増築部分の1万6300平方㍍が加わり、計4万9800平方㍍に。23年に完成予定です。

 既存棟は高層部分が14階建てで、低層部分は5階建てです。増築部分は5階建てで、低層部分に高さを合わせて建物同士をつなぎます。1階が屋内駐車場、2階が健康管理センターと内視鏡センター、3階が透析センター、4階が会議室や実習室、5階には大ホールなどを備えます。

 増築することによって、高度医療の充実と街づくりへの貢献を目指します。高度医療の充実については、まず、外来機能を強化します。診察室や採血室などが手狭なので、既存の2階部分にある健康管理センターを増築棟に移し、空いたスペースを活用します。

 もう一つの大きな目的は、手術室の拡充です。現在は6室ありますが、手術支援ロボット「ダビンチ」のほか、心臓外科や脳神経外科などの医療機器は使用していない時は廊下に置かなければならず、窮屈な状態です。2室を新たに増やし、1室は整形外科専用に、もう1室はハイブリッド手術の増加を見据えて、広くスペースを取る予定です。2021年1月から心臓血管外科医が2人に増えたこともあり、今後の発展に期待しています。

 増築部分の5階の大ホールは、300~400人を収容できます。熊本地震や水害などの災害時の教訓も踏まえて、トリアージのスペースも拡充する予定です。増築部分4階の大倉庫は、災害時には被災者を受け入れるスペースとして活用します。

─どのように街づくりに貢献していくか。

 当院が核となって街の発展を促したいと考えています。八代市中心部にある公的病院として、医療と街づくりの両輪の役割を担い、地域のランドマークのような存在になることを目指しています。

 増築事業では、100年後もその地に残り続ける「レガシー(遺産)」となるように、外観にもこだわりました。既存部分と同じベージュの御影石を外壁に使用して、かつて私が留学していた米国のワシントンDCの街並みのような、気持ち良く癒やされるような雰囲気にしました。

 市中心部には当院のほか、市役所や銀行、商店街などが徒歩圏内にあります。この特長を生かして、リハビリ・介護施設などがさらに充実すれば、高齢者であっても、歩いて日常生活に必要なことを完結させることができます。「歩きたくなる街」を実現させることができれば、人が集まり、周辺部にマンションや学校などが建ち並び、雇用を生む産業もできる好循環が生まれると期待しています。

─根幹にある思いは。

 日本がさらに発展するためには、地方都市が努力して人口減、少子化を阻止することが必要だと考えています。若い人たちが住んでいることに誇りを感じられる街にはIターンやUターンが増え、人口減、少子化を食い止めることができるはずです。

 そのためには、健康面での安心感を生む病院が街づくりの中心となる必要があります。当院が核となる街づくりを八代市で成功させて、モデルケースとして全国に発信していけたらと思っています。

独立行政法人地域医療機能推進機構 熊本総合病院
熊本県八代市通町10─10
☎0965─32─7111(代表)
https://kumamoto.jcho.go.jp/

この記事を読んだ方は他にこんな記事も読んでいます

最新の記事情報が取得できます

Twitter

「いいね!」ボタンを押すと、最新情報がすぐに確認できるようになります。

Instagram

フォローする」ボタンを押すと、最新情報がすぐにツイート上で確認できるようになります。

Instagram did not return a 200.

コメントはこちらから

[contact-form-7 404 "Not Found"]
メニューを閉じる