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業務改善に取り組み より強い組織へ

業務改善に取り組み より強い組織へ


板本 敏行 院長(いたもと・としゆき)

1983年広島大学医学部卒業。
同附属病院(現:)第2、同大学院先進医療開発科学講座外科学准教授、
県立広島病院副院長兼消化器センター長などを経て、2021年4月から現職。


 院内に改善推進部を設置し、患者サービスの向上や医療の質向上に努める県立広島病院。改善推進部の部長を務めてきた板本敏行氏は、院長に就任し、今後どのように病院運営に取り組んでいくのか。

業務改善推進のリーダーとして

 「2015年、県知事からの県内医療機関に対する業務改善の意向を受け、院内に改善推進部を設置しました」。部長を務めた板本敏行氏は、リーダーとして組織の変革に尽力してきた。設置に当たっては、先進的な業務改善に取り組んだことで知られる米国バージニア・メイソン病院を視察。危機的な状況から数十年をかけて、黒字転換を遂げている病院だけに、その独自の管理手法に驚くと同時に、そのまま導入することの難しさも感じた。「細かいところから積み重ねていくしかない」。そう決意して改善に着手する。

 改善活動においては、4本の柱を掲げた。まず、一般企業でも採用されている5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)は、業務の基本としてすぐさま導入した。二つ目の柱は、TQM(トータル・クオリティー・マネジメント)。各部署で提起された問題点を継続的に議論して改善していく取り組みだ。三つ目は、職員改善提案制度、四つ目には、患者の意見箱から改善点をくみ上げる方式を掲げ、関係部署長をメンバーに置き、病院全体で取り組んでいる。

 改善した点は多岐にわたる。例えば患者から指摘が多い外来の待ち時間は、駐車場、受付、採血、検査、診察、会計とそれぞれのステップでの時間を計測して問題点を洗い出した。その結果を受け、院内表示を分かりやすく改善した。

 年に1回実施している、2000人の患者を対象にしたアンケートでは、5年前に40%だった外来待ち時間の満足度が70%まで向上。「残り30%を追求していきたいと思います」と、板本院長の挑戦は続く。

職員からの提案を人事評価に反映

 看護師の提案で、医療廃棄物の収納方法を工夫してごみの量を減らし、年間50万〜60万円の削減に成功した。CTの定期点検も、医師からのアイデア。日曜に実施し、稼働率が向上した。「こうした大小の提案が年間50件ほどあり、実現した20件前後の中からベストを選んで、院長表彰を行っています」。さらに、人事評価システムの中に「改善活動ができるかどうか」を項目に盛り込んだ。

 実現に至らない提案であっても、全て改善推進室の部長が提案者にフィードバックする。「改善することが文化として定着すれば、必ずいい病院になります。転勤が多い医師からは、『前の病院はこうだった』といった意見も、積極的に提案してほしいと思っています」。実際、新任医師研修では、最初にその旨を伝えた。

 改善が進んだことで、業務に余裕ができ、職員それぞれに患者に向き合う時間が増えているという。「少しずつでも、改善という成功体験を積み重ねることが大切だと感じています」

高度先進医療を推進

 専門は肝臓がん。「卒業した当時、県内における肝臓の手術の強化に大学が乗り出したところでした。肝移植も始まり、難易度が高ければ高いほど、やりがいを感じていました」。その原点は、中学時代に読んだ漫画のあるシーン。自ら手術台に乗って自分の体にメスを入れる主人公の姿が、鮮烈に記憶に残っている。

 「高度先進医療は、今後も継続して強化していきます。収益が見込めることで診療体制や医療提供体制も強くなり、最終的には医療の質の向上につながっていきます。新しく、周術期管理チームも編成。栄養やリハビリテーションを含めた手術前後の管理を強化しているところです」



広島市南区宇品神田1ー5ー54 ☎082ー254ー1818(代表)
http://www.hph.pref.hiroshima.jp/

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