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がん、腎疾患の専門性を高め 地域に必要とされる病院に

がん、腎疾患の専門性を高め 地域に必要とされる病院に

独立行政法人国立病院機構 米子医療センター
長谷川 純一 院長(はせがわ・じゅんいち)
1979年鳥取大学医学部卒業。同附属病院第一内科、
米ニューヨーク州立大学、南部町国民健康保険西伯病院、
鳥取大学医学部病態解析医学講座教授などを経て、2018年から現職。


 がん、腎疾患の専門医療施設と定め、先代の濵副隆一院長が経営状況を好転。新病院への建て替えを実現した米子医療センター。2018年に院長に就任した長谷川純一氏は、先代の思いを受け継ぎ、どのような病院運営に取り組んでいるのか。

―就任からの取り組みを。

 最初に掲げた目標は「頼りにされる病院に」。若いアスリートが競技を楽しむ先に記録の更新があるように、日々のルーティンワークであろうと、めったにない挑戦的業務であろうと、それができる状況にあることや、できたことに喜びを見いだし、ポジティブな気持ちで働ける環境を目指しました。

 時間的要素の強い働き方改革とは違った、充実感のある働き方の実践を進めた結果、職員一人ひとりのモチベーションが向上。日々の達成感・満足感が得られる環境を維持することが、患者が望む医療・受けたい医療を与える病院になることを信じ、内面からの意識改革に挑戦しました。

 2年目は「病院機能の向上を目指す」を掲げ、各診療科から要望のあった診療機器の更新、レベルアップを図りました。ちょうど国立病院機構全体の経常収支の悪化による新規投資の抑制下でしたが、借金の積み残しのない状態で、医業収支、経常収支は年々アップ。血管連続撮影装置や手術台の更新、フルハイビジョン内視鏡手術システムは4Kのシステムに更新し、手術環境の改善を実現。内科系も多くの内視鏡を一気に更新することができました。

 3年目の目標は「病院機能の磨き上げ」としました。しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大に重なり、各種学会から、緊急性のない消化器内視鏡検査や外科手術の延期など、感染予防に関して提言がなされました。当院では一時的に健診を休止しましたが、自動体温測定器の導入や、問診の強化、入院患者との面会をオンラインに限定するなど、できる限りの対策で病院機能の維持に努めています。

―強みは。

 国立病院として動き出した1946年4月から75年が経過しました。肺結核患者の診療を中心に、320床まで持つ病院でしたが、結核患者の減少と共に一般診療にかじを切りました。

 現在地に移転後は、高齢社会を見据えた「山陰がんセンター」を目指す方針を貫き、国立病院再編、統合の波を何とか乗り切りながら、がんと腎疾患医療に強みを発揮してきました。

 地域がん診療連携拠点病院として手術療法、化学療法、放射線療法を駆使し、多くの実績を残すと共に、早くから緩和病棟も運営してきました。特に白血病治療では医療圏における「最後の砦(とりで)」的機能を持ち、年平均20例前後の造血幹細胞移植を実施。2021年から日本造血・免疫細胞療法学会のカテゴリー1施設認定となっています。

 また、増大する腎移植の要望に応じ、年平均10例前後の腎移植を実施しています。これらの治療に欠かせない呼吸器内科や消化器内科、腎臓内科をはじめ、高齢患者の安全な治療を支える循環器内科、・代謝内科や歯科口腔(こうくう)外科などの充実も特徴です。

―今後は。

 コロナ禍で、がん患者の受診抑制が懸念されていますが、がんの発生、進行は待ってくれません。コロナが落ち着いて、進行したがん患者が大挙して受診することがないよう、十分な啓発が必要と考えています。

 高齢者人口は減るどころか2040年ごろまで増え続けると予想され、高齢者の医療需要が大きく減ることは考え難いと思います。緩和ケア内科を含めたがん診療や、整形外科など高齢者に必要な診療科を中心に大学病院などと連携しつつ、「鳥取県西部医療圏において必要とされる米子医療センター」の実現に向け、全職員がポジティブな気持ちで取り組んでいきます。

独立行政法人国立病院機構 米子医療センター
鳥取県米子市車尾4―17―1
☎0859―33―7111(代表)
https://yonago-mc.hosp.go.jp/

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