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脳疾患に24時間対応 救急からの動線も確保

脳疾患に24時間対応 救急からの動線も確保

医療法人社団 宇部興産中央病院
清水 昭彦 院長(しみず・あきひこ)
1979年長崎大学医学部卒業。
国立循環器病センター(現:国立循環器病研究センター)、
米ケースウエスタンリザーブ大学、山口大学医学部保健学科教授などを経て、
2018年から現職。


 山口県中部の宇部・小野田医療圏の中核病院として、地域の医療を支える宇部興産中央病院。1959年に開設した脳神経外科は、2017年「脳疾患治療センター」に発展し、さまざまな脳疾患の高度な治療に対応している。

―脳疾患治療センターについて。

 当院は、1953年に開設された「宇部興産サナトリウム」を前身とし、66年に企業立病院「宇部興産中央病院」と改名しました。脳神経外科は59年に設立されましたが、当時は西日本にもほぼ無い時代でした。現在に至るまで、脳疾患の治療に力を入れています。

 2001年に、7床の「脳卒中センター」を院内に開設。ニーズの高さから、より機能を集約させたいと、17年に、敷地内に新館病棟を建設。名称も「脳疾患治療センター」と新しくなり、12床に増床しました。新館病棟は、1階に救急センター、2階に手術室が5室、3階に脳神経外科病棟と脳疾患治療センターを配置しています。脳疾患は一刻を争うため、救急搬送された患者さんが、入り口からMRIやCTなどの検査、手術室までスムーズに移動できる動線を確保しています。

 センターには看護師が常駐し、24時間集中管理を行っています。常に満床で、症状が安定した患者さんは順次、脳神経外科病棟に移動させ、常に受け入れられる体制を整えています。

―脳神経外科の特徴は。

 診療科長兼副院長の西崎隆文先生が陣頭指揮を執り、高い治療実績を上げています。年間の手術件数は340件前後。宇部市内はもちろんのこと、山口市など県内各地から患者さんを受け入れています。また、開業医の方からの紹介も多く、山口大学医学部附属病院と連携を取りながら、県内の脳疾患治療を支えています。

 症例で多いのは、脳腫瘍、次いでくも膜下出血です。カテーテルを用いた脳血管内治療をはじめ「切らずに治せる」治療、膠芽腫(こうがしゅ)に対する電場腫瘍治療「オプチューン」など、新しい治療法も積極的に取り入れています。

 当院は、日本脳神経外科学会専門医訓練施設、日本脳卒中学会認定研修教育施設であり、山口大学医学部附属病院の「臨床教育センター」の役割も担っています。多くの研修医を受け入れ、実践的なトレーニングを行っています。

―地域医療における役割は。

 2014年に企業立病院から医療法人へ移行し、翌年に地域医療支援病院の承認を受けました。また、2次救急病院としての役割も大きく、救急車搬送件数は年間2000台ほど。輪番日とサポート日を合わせると当直日は年間200日を超えています。新館病棟4階には「脳疾患治療センター」とは別に、12床のHCUを備えており、こちらも24時間体制で、あらゆる疾患の救急に対応しています。

 病床は、一般病床384床のうち40床が地域包括ケア病床で、急性期から回復期、リハビリテーションまで、シームレスな治療とケアができる体制を整えています。さらに、病気の早期発見、早期治療を目的に、健診センターも開設していますが、行き届いていないのが退院した患者さんに対する在宅療養支援。今後の課題として検討しているところです。

 新型コロナウイルス感染症の拡大で、経営も運営も大変な1年となりました。患者さんと職員に数人の感染者はありましたが、クラスターに至らず、職員一人ひとりの意識の高さに助けられたと思っています。

 ただ、感染予防で職員間のコミュニケーションが減っていることを心配しています。職員への2回のワクチン接種が終了し、少し安心していますが、次の感染拡大に向けて対応をしつつ、少しでも日常に戻ることを願っています。

医療法人社団 宇部興産中央病院
山口県宇部市西岐波750
☎︎0836―51―9980(代表)
https://www.ube-hp.or.jp/

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