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「ピンチをチャンスに」 経営改善を実現

「ピンチをチャンスに」 経営改善を実現

国家公務員共済組合連合会
門脇 孝 院長(かどわき・たかし)
1978年東京大学医学部卒業。
同大学大学院医学系研究科代謝・栄養病態学(糖尿病・代謝内科)教授、
同大学医学部附属病院長などを経て、2020年から現職。


 2020年4月に東京都港区にある「」の院長に就任した門脇孝氏。新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない中、どのような対応で難局を乗り越えてきたのだろうか。経営改善を達成した新たな取り組みについて聞いた。

―コロナの流行初期に院長に就任しました。

 当院では2020年2月、横浜港に寄港した大型客船「ダイヤモンド・プリンセス」でのクラスター発生時から新型コロナウイルスの患者さんを受け入れ、院内の感染防止対策にも取り組んできました。同年3月30日には院内独自の非常事態宣言を発出。私が院長に就任したのは、その2日後の4月1日でした。

 私はすぐに職員に向けてメッセージを発信しました。当院の社会的な使命を果たすためにコロナ患者さんの受け入れを続けることと、通常の診療機能も維持することを伝えました。その後、発熱外来を設けてトリアージとゾーニングを開始し、脳卒中ケアユニットを転用して臨時の感染症専用病床17床を確保。6月末からは、コロナの疑いがある救急患者の受け入れについて東京都の「新型コロナ疑い救急患者の東京ルール」に基づき、多くの方を受け入れてきました。

 院内の非常事態宣言は6月にいったん解除したものの、11月に院内クラスターが発生し、再び発出しました。以降はクラスターの教訓を生かし、感染防御体制のレベルをさらに上げています。職員の努力もあり、新たな院内感染は21年4月上旬現在、発生していません。

―経営面での影響にどのような対策を講じてきたか。

 第1波の影響で、受診者が激減したことが要因となって収支が急激に悪化しました。そこで、副院長、幹部職員、若手医師ら計130人以上と面談。それぞれの立場から課題を聞き取りました。洗い出した課題は、病病・、外来診療、、病床コントロール、時間外勤務などテーマごとに九つに区分し、ワーキンググループを発足。それぞれのグループで具体的な改善策を立案してもらい、直ちに実行するようにしました。
 
 合言葉は、「ピンチをチャンスに」。職員が一丸となって改善に取り組んだ結果、20年6~9月の4カ月間で平均在院日数を13日から11日に短縮させ、入院診療単価は約2万円アップさせるなどの効果が上がりました。その成果を踏まえて、10月には新しい経営目標を立て、4月の医業損益目標を上方修正。院内クラスターと第3波の際に一時的に厳しい状況に置かれましたが、最終的には20年度の医業損益目標を達成することができました。

 明確なメッセージを発信し、現場の職員の声に真摯(しんし)に耳を傾けて問題意識を共有したことが、経営改善につながったのではないかと思っています。

―今後の展望は。

 引き続きコロナ対応に注力する一方で、今後は当院の医療を必要とする一般の患者さんをより多く受け入れていくことも大切です。そのためには、当院が持つ最先端の医療設備や高度な医療を多くの医療機関に知ってもらうことが欠かせません。

 20年9月ごろから周辺地域にある50以上の医療機関に出向き、当院の特長を広報してきました。皆さんのご理解も得られ、紹介患者数は増加傾向にあります。地域医療の向上に貢献する意味でも、さらに前方・後方連携にも力を入れたいですね。

 救急医療もより充実させたい。当院は2次救急医療機関ですが、将来的には3次救急を担い、救命救急センターの設置も目指します。21年4月からは救急の外来だけでなく、入院病床を設置しました。当院や協力病院に通院する患者さんが急変してもしっかり対応できる体制を構築して、患者さんの日頃の安心感につなげたいと思っています。

国家公務員共済組合連合会
東京都港区虎ノ門2―2―2
☎03―3588―1111(代表)
https://toranomon.kkr.or.jp/

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