九州医事新報社 - 医療・医学の〝今〟を伝えて62年

陰圧エリアを拡大し急増するコロナ患者に対応

陰圧エリアを拡大し急増するコロナ患者に対応

高松市立みんなの病院
和田 大助 病院事業管理者/院長(わだ・だいすけ)
1980年徳島大学医学部卒業。
同大学医学部附属病院(現:徳島大学病院)第一外科講師、徳島市民病院総括部長(外科)、
高松市民病院(現:高松市立みんなの病院)院長などを経て、2018年から現職。


 高松市民病院と香川診療所が統合し、2018年、新たなスタートを切った「高松市立みんなの病院」。新型コロナウイルス感染症の拡大に、どのように対応したのか。和田大助院長にこれまでの取り組みと、今後の課題を聞いた。

―現在の状況は。

 当院は、第2種感染症指定医療機関に指定されています。今回の新型コロナウイルス感染症の拡大に対しては、県からの依頼で軽症、中等症の患者さんを受け入れました。

 2021年4月末時点で、受け入れた患者さんは、高松市外を含め約260人、入院患者は約140人になります。最近は感染力の強い変異株に感染した患者さんが目立つようになってきているのが、非常に気掛かりです。

 症状にかかわらず、必ず病院に収容するという変異株感染の取り決めは、県からの通知により変更。21年4月1日から変異株の患者さんでも、軽症者はホテルなどに収容するルールになりました。病床逼迫(ひっぱく)に対する行政の強い警戒感の表れであり、今後どのような影響を与えるのか、注意深く見守っていく必要があると思っています。

―これまでの対策は。

 感染症専用の6床では足りなくなり、コロナ患者以外の患者さんは全員、一般病棟に移動。病院の4階西棟を、感染症専用の病棟にすることを余儀なくされました。4階は東棟と西棟に分かれており、その間にある防火扉を閉めると片方が陰圧になるよう設計されています。この感染防止機能を最大限に生かしながら治療を進めました。

 コロナ患者の増加を予測した県からの情報に基づき、感染症ベッドは最大15床まで増床。ベッドが全て埋まった期間もありました。院内感染対策会を設置し、インフェクションコントロールドクターをリーダーに院内感染対策チームが、実働部隊として始動。院内感染の発生防止策を適宜実施することで、スタッフ間の情報共有も密に行われ、正しい感染防止策をとることができたと思います。

 コロナとの戦いが長期にわたることが予想されるようになってきた段階から、特定のスタッフを感染症病棟専属とするシフトに変更。感染症病棟と通常病棟を誰もが同じようにローテーションするシフトを組んだ対策も、スタッフの負担軽減に効果的だったと思います。

 院内でのPCR検査が20年9月初旬から実施できたことは、職員、患者さんに大きな安心感を与えました。それまでは他施設に朝、検査に出し、夕方まで結果を待たなければならず、その間の対応に四苦八苦することが多くありました。それが1時間、早ければ15分に短縮された効果は大きかったと思います。

―今後の課題は。

 直近ではワクチン接種です。当院は高松市で最も早く職員への接種が始まり、グループ分けをしながら、2回目の接種を21年3月中に完了しました。予想を超えた有害事象があり、あるグループでは1割の職員が発熱、その多くが「体調不良で出勤できなかった」と報告しています。副反応なのか精査しなければなりませんが、これからの高齢者接種が心配です。

 最大の課題は、これまで以上にコロナ患者さんが増えて中等症の患者が重症化した場合、救命救急に使用しているHCU()に移動する事態も予想されます。HCUは8床ありますが、コロナ治療に使用するとなると感染防止のため全てのベッドを空けなければならず、一般の患者さんの救急医療を圧迫します。これは非常に大きな問題です。

 今回、保健所と行政の連携が複雑で、対応に遅れが出るなど、問題点もありました。病院間での情報共有がスムーズにできなかったことも、早急に解決すべき課題だと感じています。

高松市立みんなの病院
高松市仏生山町甲847―1
☎087―813―7171(代表)
http://www.takamatsu-municipal-hospital.jp/

この記事を読んだ方は他にこんな記事も読んでいます

最新の記事情報が取得できます

Twitter

「いいね!」ボタンを押すと、最新情報がすぐに確認できるようになります。

Instagram

フォローする」ボタンを押すと、最新情報がすぐにツイート上で確認できるようになります。

Instagram did not return a 200.

コメントはこちらから

[contact-form-7 404 "Not Found"]
メニューを閉じる