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志ある人を育て 次代につなぐ

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大阪大学大学院医学系研究科 器官制御外科学(整形外科)
岡田 誠司 教授(おかだ・せいじ)

1999年九州大学医学部卒業。総合せき損センター、米エール大学整形外科脊椎センター、
九州大学生体防御医学研究所病態生理学分野教授などを経て、2021年から現職。


 整形外科医として、前任の九州大学では主に基礎研究の分野に取り組んできた岡田誠司氏。就任に当たり、これまでの経験を教室運営にどう生かすのだろうか。

九州から大阪へ

 整形外科医になって間もない頃、福岡県飯塚市にある労働者健康安全機構総合せき損センターでの臨床経験が、その後の医師人生を決定づけた。「ラグビーで将来を嘱望されていた高校生が、事故で手足が一生不自由になってしまったことがありました。同じようなケースは多々あり、何か治療法はないのかと悔しく思うばかりでした」。少しでも自分にできることがあるのではと、慶應義塾大学医学部大学院生理学研究室に進んだ。

 以来、臨床と研究の両立を信念に歩み続けてきた。九州大学整形外科に在籍し、留学を経験した後に、同大学生体防御医学研究所病態生理学分野教授に就任。手術を行う傍ら、中枢神経の再生について研究し、脊髄損傷に対する治療法の開発などに取り組んできた。

 そんな中、大阪大学の教授選への声が掛かった。率いる研究室では後輩が育ってきており、「求められるものが自分にあるのなら、チャレンジしてみよう」と意思を固めた。

 独自のキャリアとビジョンが、今後の教室運営に必要だと評価されての人選。「大切なことは、次代の整形外科を切り開くという志です。ここでしかできない研究に取り組み、医療を発展させたいと願う人材を育てることが私の使命です」

若い人たちの可能性を伸ばす

 「医局は教育機関。若い人が生き生きと活躍できる強い組織をつくりたい」と繰り返す。そのために「一人ひとりをしっかりと見て、フェアに評価する。若い人の持つ可能性を伸ばしたいと考えています」

 面談では、「自分は何がしたいのかを常に問いかけよ」と伝えている。「100人いれば100通りの考えがある。それがオリジナリティーであり、研究の礎にもなってきます」

 例えば、患者さんと接する中でふと感じる疑問がある。そこを出発点に臨床医が行う研究には大きな意義があるという。さらに、専門医志向が強まる昨今、じっくりと研究に向き合う人材が育たなければ医学の発展はない、と力説する。

 「研究では、寝食を忘れて没頭するうちに、ふっと突き抜ける瞬間があります。ある一定のレベルまで達して初めて見えるものがある。そんな世界に、若い人をどれだけ引き込めるかが課題だと思います」

 個性を伸ばせる自由度も担保したいという。「例えばベンチャー企業をつくりたいという計画も大歓迎。教室の発展につながるものであれば、組織を挙げてサポートします」。教室員とできる限り話をして、やりたいことの実現を支援したいと話す。

チームのために自分は何ができるか

 出身は広島だが、高校の修学旅行で一周した九州の土地柄に魅せられ、九州大学へ進学。医学部サッカー部ではキャプテンを務めた。「リーダーシップで引っ張るというより、みんなで盛り上がっていこうぜ、みたいなタイプ。いい仲間に恵まれました」

 チームが勢いに乗った結果、西日本の医学部大会「西医体」で悲願の優勝を勝ち取る。どうすればチームが勝てるか、自分には何ができるのか―、考えて行動した経験が、今に生きているという。

 「指示されて動くだけでは、能力を十分に発揮することはできません。そのためにも、まず自分が仕事を楽しむ姿を見せたい。活気ある教室にしていきたいですね」

大阪大学大学院医学系研究科 器官制御外科学(整形外科)
大阪府吹田市山田丘2ー2 ☎06ー6879ー5111(代表)
http://www.osaka-orthopaedics.jp/

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