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統合で機能強化 安心、信頼届けたい

統合で機能強化 安心、信頼届けたい

地方独立行政法人くまもと県北病院
熊本県玉名市玉名550 ☎0968―73―5000(代表)
https://kumakenhoku-hp.jp/

 くまもと県北病院が2021年3月、開院した。公立と医師会立の病院を統合し、診療科を五つ新設して新天地でスタートを切った。熊本県有明地区の拠点病院として急性期から慢性期まで担う新病院の特長を、山下康行理事長に聞いた。


◎広大な敷地に402床 周辺環境に合うデザイン

 くまもと県北病院は、いずれも玉名市の公立玉名中央病院(302床)と、玉名郡市医師会立玉名地域保健医療センター(150床)が経営基盤の強化などを理由に統合し、402床で開院した。一般急性期病床は312床で、回復期リハビリテーション病床45床、地域包括ケア病床45床を備えている。新型コロナウイルス感染症の患者の病床は最大で56床設置できる。

 九州新幹線の新玉名駅近くに位置し、屋上にヘリポートを備えた6階建て、延べ床面積は3万4867平方㍍。周辺が田園地帯であるため、調和を意識して周囲に溶け込むような落ち着いたデザインにした。
 院内は木目調で温かな雰囲気に。院内表示なども「おしゃれなイメージ」で色合いやロゴにも気を配ったという。駐車場は1000台分を設けたほか、近くを流れる菊池川の増水に備えた浸水対策で、地盤をかさ上げして建設した。

温かな雰囲気の院内

 7室ある手術室は、広く使えるように設計。呼吸器外科、腫瘍内科、眼科、耳鼻咽喉科、歯科口腔(こうくう)外科を新設。特に肺がんの診療では専門の内科医と外科医を整備し、診療体制を固めた。肺がん患者の手術は市外の医療機関に紹介することが多かったが、統合後は診断から治療まで担えるようになった。

◎性質異なる2病院統合 統合前から関係づくり

 統合後の医師約80人を含めた職員数は約850人。「難しかったのは二つの病院の組織を一つにすること。いきなり一つにするのは難しいと思っていました」と山下理事長。

 急性期の公立病院と慢性期の医師会立病院とでは組織風土が大きく異なっていた。そのため、統合の1年前から医師や看護師、事務職員などの職種ごとに人事交流をしたり、合同の会議を開いたりしてコミュニケーションを深める機会を設けてきた。「ある程度お互いに気心が知れた関係をつくっておけたので、スムーズに移行することができました」と振り返る。

 患者の移動をはじめとした多種多様なオペレーションの移行は2021年2月末から3月にかけて実施。システム面でのトラブルも発生せず、「おおむね予定通りに進んでいます」。

 難題は、コロナ禍での開業医や玉名市外の医療機関との連携強化だ。本来は開院祝いや内覧会を21年2月に予定していたが、中止を余儀なくされた。連携に向けた懇談会などの場もなくなったため、牛島正人病院長と共に地域の各クリニックに出向いているという。

 関係構築に奔走する日々を送り、「地域の先生方の当院に対する期待を非常に強く感じています」。山下理事長は熊本大学大学院の教授や同大学医学部附属病院(現:熊本大学病院)の副院長を歴任しており、その経験を生かしながら同大学との連携もさらに深めていく。

◎透明性高い運営で安心、信頼できる病院に

「地域の方に、安心、信頼してもらえる病院を目指します」と語る山下康行理事長

「建物がきれいになって職員全体のモチベーションは大幅に上がりました。ただ、接遇などの面は、教育を施して洗練させなければいけない。課題はまだまだあります」と気を引き締める。

 新病院の使命は、基幹病院、災害拠点病院として玉名市と玉東町を中心に、県有明医療圏6市町の住民に安心・安全の医療を提供すること。

 「一番重要なことは市民からの信頼を得ること。大学や開業医の先生との連携を十分にして、地域の皆さんに安心と信頼を提供できる病院を目指します。そのためにも、透明性の高い運営をしていかないといけません」と語る。

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