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情報通信技術を活用し 信頼される地域医療へ

情報通信技術を活用し 信頼される地域医療へ

上天草市立上天草総合病院
脇田 富雄 病院長(わきた・とみお)
1986年自治医科大学医学部卒業。
熊本赤十字病院、球磨郡公立多良木病院、
上天草市立上天草総合病院副院長、同院長代理などを経て、2018年から現職。


 熊本県上天草市で地域医療の中核を担っている上天草市立上天草総合病院。脇田富雄病院長は、地域の医療機関や介護施設との連携、住民とのコミュニケーションを重視しながら病院運営に取り組む。今後のさらなる発展のためには、情報通信技術の活用が必須だと語る。

―病院の特徴は。

 上天草地域の中核病院として、「信頼される地域医療」を理念に掲げています。急性期、回復期、慢性期などの各診療に加え、在宅医療や介護支援などにも取り組んでおり、地域包括ケアの中心的な役割を果たしています。

 病院長に就任した2018年以降は、地域医療連携に力を入れてきました。広範な上天草地域をカバーするため、隣の宇城市にある済生会みすみ病院と協力しながら、開業医や介護施設の方々との連携を強化しています。

 院内ではベッドコントロールに着手し、転院・入院の紹介に可能な限り対応できる体制を整えました。また、天草市や熊本市にある高度治療を行う医療機関との連携も深め、治療が難しい患者さんの受け入れもスムーズです。

 患者さんへの満足度アンケート、タウンミーティング、出前講座などを行い、地域住民や患者さんの声を積極的に聞き、医療の向上に努めています。残念ながら、2020年はコロナの影響でタウンミーティングなどが開催できませんでしたが、常に「地域住民ファースト・患者さんファースト」の目線を保つためにも、なるべく早く再開したいと思っています。

―働く環境について。

 信頼される地域医療を実現するために、まずは職員の心身が健康であること。その上で、自分が働く病院を好きになってもらうことが重要です。現在、職員アンケートや職員集会などを通じて、これらの意識向上に取り組んでいます。

 当院は市立病院ですので、今後は公務員の自覚を改めて認識する必要があると考えています。公僕の意識を高め、今まで以上に患者さんや地域に貢献することが重要だと考え、職員教育に取り組んでいるところです。患者さんへのサービスが行き届かない部分がまだあるのではと感じており、なるべく早く改善に着手していきたいと思います。

―現状の課題は。

 全体的なマンパワー不足です。医師はもちろん、他の職種でも人手が足りません。人口減少と高齢化が進む地域で、根本的に働く年代が少ないことに加え、その年代の人も都市部に行ってしまう。薬剤師、保健師、介護職員などは随時募集していますが、なかなか集まらないのが現状です。

 看護職の人材は、看護専門学校を併設しているため、現在は何とか足りています。しかし、例えば奨学金制度で看護師になった職員が3年間の義務年期を終え、すぐに他の地域へ行ってしまう場合もあり、継続的な確保に向けては不安が残ります。すぐには解決できない問題で、悩ましいところですね。

―今後の展望は。

 地域の拠点病院としての役割を果たし、広範な上天草地域での医療連携を発展させるには、IT、ICT、IoT、AIなどの技術が不可欠だと考えています。

 最近では、医療版SNSを試験的に運用したり、ドローンを使って離島へ医療物資を届けたりする実証実験に積極的に取り組んでいます。院内でのAI問診も検討中です。地域や病院のマンパワー不足を補い、オンライン診療などを推進する意味でも、情報通信技術の導入に力を入れたいと思っています。

 地域の皆さんに信頼され、安心していただくためには、やはり人材の確保が重要です。情報通信技術をうまく活用しながら、院内の診療体制を充実させることを目標に掲げ、病院運営に精進したいと思っています。


上天草市立上天草総合病院
熊本県上天草市龍ケ岳町高戸1419―19
☎︎0969―62―1122(代表)
http://www.cityhosp-kamiamakusa.jp/

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