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第70回東日本整形災害外科学会 「一樹百穫」 ~若手整形外科医を育てます~

第70回東日本整形災害外科学会 「一樹百穫」 ~若手整形外科医を育てます~

 若手医師の育成を主眼に、四肢まひのある岩手出身の現代アート作家を招く文化講演や英字論文の書き方の指導など、多彩なプログラムを企画する第70回東日本整形災害外科学会。スポーツイベントなどもあり例年盛会になる学会の運営面での工夫を聞いた。

会長 土井田 稔 氏 (岩手医科大学医学部整形外科学講座 教授)

四肢まひの芸術家講演 当事者の立場学ぶ

 整形外科は元々外科から枝分かれした診療科で、四肢や脊柱疾患のほかに、建物の倒壊などの災害による外傷も扱います。国内には脊椎や関節など運動器の種類や地域ごとの学会が多くありますが、当学会の特長は、特定の運動器に限定せず全体を対象にして、東日本エリアの整形外科医療の発展を目指して設立されたことです。

 今回のテーマで、人材育成が大きな利益をもたらすことを指す「一樹百穫」とも共通しますが、未来に向けて若手の整形外科医を育てることが当学会の理念です。近年は若い医師が運動器の専門分野の学会に所属する傾向があるように感じていて、当学会では会員数を増加させることが課題の一つです。そこで、新企画委員会を設けて、学会の活性化を図る方法を模索しています。

 若い医師に関心を持ってもらうため、今回は文化講演に岩手県出身で四肢まひのある現代アート作家・松嶺貴幸氏を招きます。彼は高校時代にスキーの転倒事故で脊髄を損傷し、車いす生活を送っています。治療後、単身でアメリカに渡った際、アートの世界に魅了されたことがきっかけで口に絵筆をくわえて多くの作品を描いています。

 文化講演は地域の著名人や「医学界以外で成功を収めた人」に依頼することが多いですが、彼は30歳台と若く、今後の活躍を応援する意味も込めて講演をお願いしました。今まさに夢に向かって挑戦している姿が若い医師への刺激になり、今後の診療の糧となることを期待します。

英字雑誌の編集長 論文のコツ指導

 目の前の業務に追われて多忙な若手医師に、論文執筆への士気を高めてほしいという思いから企画したのが、英字論文の書き方のコツを伝授する特別講演です。登壇するのは日本整形外科学会の英字学術雑誌の編集長で、千葉大学名誉教授の高橋和久氏。投稿された数多くの論文を読み込み、評価者のレビューも精査しています。どのような観点で採択する論文を決めているかを踏まえ、執筆の際に気を付けるべきことを教えてもらいます。

 女性医師によるシンポジウムも見どころの一つです。例えば、人工関節の手術では助手が長時間患者さんの足を持って支えるなど、かねてから整形外科医は「力仕事」のイメージが強く、女性医師もまだまだ少数。シンポジウムでは5人の女性医師が、医師を志す女性に整形外科の魅力を知ってもらうためのアイデアを実体験も交えながら語ります。指導者の立場の参加者に採用活動などの際に参考にしてもらえたらと思います。

大学対抗スポーツ大会 参加の呼び水に

 新型コロナウイルス感染症の状況次第ですが、現地開催ができれば例年恒例の3人制バスケットボールのスリー・エックス・スリー、駅伝、フットサルの3種目で競うスポーツイベントも開催予定です。このイベントを主目的に来場する人も多く、参加を募る上で呼び水の一つになっています。同様に現地開催がかなえば岩手名物のわんこそばの早食い大会も行う予定で、東京など都会での開催が続いていたので、岩手の特色が出るように心掛けました。多くの方々の参加をお待ちしています。

主なプログラム(予定)

●文化講演「超主体性アートライフ」
 9月17日(金) 松嶺 貴幸(一般社団法人Art Virall)
●特別講演「医学論文執筆にあたって」
 9月17日(金) 高橋 和久(千葉大学)
●シンポジウム「女性医師に選ばれる整形外科になるために」
 上里 涼子(弘前大学)、新関 祐美(草加市立病院)、中村 木綿子(岡田整形外科クリニック)
 成田 有子(帯広協会病院)、冨永 絢子(東京女子医科大学)
※敬称略

会期:9月17日(金)・18日(土) 会場:アイーナ(いわて県民情報交流センター)
運営事務局:第70回東日本整形災害外科学会運営事務局 メール:ejaot2021@gmail.com
学会HP:https://plaza.umin.ac.jp/ejaot2021/

※情報は5月10日現在のものです。開催について最新の情報は学会HPでご確認ください。

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