あけましておめでとうございます。皆さまにおかれましては、健やかに新春をお迎えのこととお喜び申し上げます。
当看護協会は、1948年に「日本助産婦看護婦保健婦秋田県支部」として発足し、「人々の人間としての尊厳を維持し、健康で幸福でありたいという普遍的なニーズに応え、人々の健康な生活の実現に貢献する」ことを使命として70有余年の活動を続けております。現在の会員数は約7100人です。
秋田県と言えば、竿灯(かんとう)まつり、きりたんぽ、秋田犬(あきたいぬ)などでご存じの方も多いのではないでしょうか。一方で少子高齢化が日本一進んでいる県としても話題に上ることが多く、「課題先進県」としても知られています。しかしながら、待ったなしの厳しい現実に直面しているからこそ、さまざまな取り組みも進んでいます。この機会を得て、そのごく一部をご紹介させていただきます。
前述の通り、本県の高齢化率は全国1位で、2019年7月1日現在、37・1%です。また、看護職の県内就業者数は2018年度で1万4431人、そのうち在宅系事業所に勤務する看護職の比率は21・4%と高く、全国平均の14・1%を大きく上回って、これも全国1位です。
高齢化が進展する中で地域包括ケアの構築は最優先課題であり、地域医療・福祉の充実には、介護・福祉施設などで働く看護職員の能力向上は欠かせません。そこで当協会では、人員配置の少ない在宅系事業所で働く看護職にとって集合教育への出席が難しい状況にあることから、こちらから出向くアウトリーチ型の「看護職員の能力向上プログラム作成支援と研修派遣事業」を実施しています。
この事業は、看護職員の能力向上プログラムへの支援が必要であるか、どのような領域の研修を受けたいかなどを事前調査します。その要望に応える形で看護協会職員と専門・認定看護師が当該の介護・福祉施設に出向き、研修体制への支援と看護職員(他職種を含む)への研修を行います。
実施後のアンケートでは、「看護職員に比べて介護職員が多い施設なので、一堂に会して研修を受けられたことは、同じ方向でケアできる」「専門・認定看護師に、直接、質問や相談ができたことが大きなメリットだった」などの反応がありました。今後も地域医療・福祉の充実に向け事業の継続拡大をする予定です。
2020年は、十二支の最初の子年(ねどし)であり、記念すべき東京オリンピック・パラリンピックの年でもあります。新しいことに挑戦し活力ある年になりますことを祈念し、新年のごあいさつといたします。