福岡大学病院 病院長 岩﨑 昭憲

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 明けましておめでとうございます。皆さまにおかれましては健やかな新年をお迎えのこととお喜び申し上げます。

 福岡大学病院長に就任し初めての年始を迎えました。2019年は、一世一元により平成から新元号「令和」になり、2020年は東京オリンピック開催が予定され大きな出来事がめじろ押しです。また医療に目を向けると、今春からの診療報酬改定は大学病院にとって期待と不安が交錯する年初でもあります。医師らの人件費や技術料に当たる「本体部分」が0.55ポイント増加、一方で薬価は1%、全体でもマイナス改定のようです。また医療情勢は、今後、団塊の世代が後期高齢者となり疾病構造や受療行動が変化することや、働き方改革関連法(時間外労働の上限規制、有給休暇取得の義務化等)を受けて各医療機関の共通課題になっています。

 勤務軽減に、他職種へ一部委譲するタスクシフティングなどが提案されていますが、思うように運営できているものは少なく、まだまだ今後の課題です。診療報酬に働き方改革を後押しするための費用0・08%が見込まれ、少し明るい兆しもあります。これら社会情勢のなか私たちは、「人にやさしく、業務に厳しく」を掲げた取り組みを行いたいと思っています。

 福岡大学病院の対象医療圏は、福岡市西部・南部地区の約100万人であり、地域医療の中核機関として高度医療を安全に提供するさまざまな創意工夫を行っています。

 可能な限り施設・設備充実をはかるとともに、病院組織改編や多様な施設との連携推進に取り組んでいます。絆病院や連携医療機関登録を増やすための地域連携室の強化や、大学関連の医療機関である福大筑紫病院、福大西新病院、博多駅クリニックとも緊密な医療協力を行っています。まさに2019年の流行語大賞にもなった「ONE TEAM」です。

 また新本館建設は、基本設計が終わり2023年竣工に向けて順調に準備が進んでいます。

 大学病院内ではさまざまな業務が増えていることもあり、副院長の補佐職を倍増させました。この中には、大学病院機能の一つである教育、研究を意識した増員も含まれています。私たちには優秀な医療職を育て社会に送り出す責務があります。また専門性の高い人材を育てることは、ひいては特定機能病院としてのレベルを維持することにつながります。

 多様化するがん医療、掲げてきた「断らない医療」の継続や救急医療体制の充実、ロボット支援手術や移植医療などの高度先進医療を安定的に提供し、さらなる飛躍の年にしたいと思います。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

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