九州医事新報社 - 地域医療・医療経営専門新聞社

福井県看護協会 会長 江守 直美

福井県看護協会 会長  江守  直美

 新年あけましておめでとうございます。今年1年の、皆さまのご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。

 2020年は、新型コロナウイルスのパンデミックにより、これまで経験したことのない1年であり、看護職に注目が集まった年でもありました。そして、今なお先の見えない戦いに挑んでいらっしゃる医療従事者の皆さまに、敬意を表しますとともに、深く感謝申し上げます。

 一方、看護界においては、ナイチンゲール生誕200年を記念し、世界30ヵ国で「Nursing Now!」キャンペーンが始まったところでした。

 福井県では、COVIDー19の影響により、「個人防護具が不足している」という医療現場の声を受け、3月、県行政に対し、個人防護具の安定的供給を要望いたしました。その直後に、第1波の「夜の街クラスター」が発生し、4月には一時、人口10万人当たりの感染者数が全国1位になるなど、一気に福井県の医療崩壊が目の前に迫ってきました。そこで、福井県行政の「新型コロナ対策医療ワーキング会議」に、医師会と共に当協会も参加し、クラスターの追跡や、専用病床の確保、PCR検体採取センターや軽症者宿泊療養施設の立ち上げなどの検討を行ってまいりました。

 当協会では、人員不足の医療機関やこれらの施設の運営に必要な看護職員の確保や派遣、児童福祉施設の相談窓口での電話対応を行ってきました。また、高齢者福祉施設などにおけるクラスター発生により、介護職の人員不足に陥った場合の対策として、福井県老人福祉施設協議会の協力を得て、お互いに人材を派遣し 、協力し合う体制づくりに着手しました。

 さらに、この相互派遣し合う約150人の介護職へ、感染対策を踏まえた介護ケアの実践研修を行い、当協会が作成したリーフレット「高齢者施設等における新型コロナウイルス感染対策―持ち込まない・拡げない」の啓蒙活動に取り組んでまいりました。

 このリーフレットの骨子は、ナイチンゲールの「看護覚え書き」にある「真の看護とは、感染を予防すること」その防御策は、①清潔、②開け放した窓からの新鮮な空気、 ③患者への絶え間ない気遣い、賢明で思いやりのある患者管理、です。そして、これこそが、200年の時を超え「withコロナ」時代を生き抜くわれわれ看護職への、ナイチンゲールからのエールに思えてなりません。

 結びに、当協会への皆さまのご支援・ご指導をよろしくお願いいたします。

記事に関する感想・コメントはこちらから

このフォームに入力するには、ブラウザーで JavaScript を有効にしてください。
名前
メニューを閉じる