皆さま新年明けましておめでとうございます。
本年の干支は「丑(うし)」で、「我慢(耐える)」や「発展の前触れ(芽が出る)」の年とされています。これは、「牛」が古くから酪農や農業で人々を助けてくれる存在として重要であり、大変な農業を地道に最後まで手伝ってくれる様子に由来すると言われています。
2020年は新型コロナウイルス感染症に翻弄(ほんろう)された1年でしたが、新年は「耐えて」・「発展の前触れ」になる年になることを期待しています。
さて、産業医科大学病院は、これまで北九州地区唯一の大学病院・特定機能病院として安全で質の高い医療を提供してきました。
地域完結型の診療の中で、本院の使命は高度急性期医療の充実であり、その一環として、最新式の手術支援ロボットを導入し、泌尿器科(前立腺がん、腎がん、膀胱がんなど)のみならず、現在では、呼吸器外科(肺がん、縦隔腫瘍など)、消化器外科(食道がん、胃がん、大腸がんなど)や婦人科(子宮がんなど)の幅広い領域の手術を行っています。ロボット支援手術では、従来の内視鏡下手術操作をロボットが行うことにより、より精度の高い手術が可能です。
2019年7月には南別館を稼働し、最新式の放射線治療(強度変調回転放射線治療:VMAT)装置を導入しました。これにより、短時間で高精度ながん放射線治療が可能となりました。
また、本学の強みを生かし、仕事と治療の両立支援についても注力し、治療後の円滑な職場復帰に向けて、患者さんへの支援体制も整えています。
現在、急性期医療に関わる最新の医療技術の提供のため、2年後(2023年)の開院を目指して、急性期診療棟の新築準備が進められています。この急性期診療棟の中には、手術室・救急外来・集中治療室・急性期病棟などとともに、本学の特色である産業医養成に関わる臨床教育の機能を持つ産業医学臨床センター、両立支援室なども併せて配置する予定です。
巻頭にも述べましたように、2020年は新型コロナウイルス感染症の対応に追われました。このような危機に際しても、産業医科大学病院は、職員が力を合わせて「患者第一の医療」、「安全かつ質の高い医療」、「人間愛に徹した医療人の育成」といった理念に加えて、「職位・職種・部門の垣根なく高い倫理観を持って互いの意見を尊重し、患者と職員の安全に努める」ことを怠らず、引き続き、地域医療の発展に貢献していく所存です。
本年も、ご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。