日本社会医療法人協議会 会長 西澤 寬俊

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 2021年の新春を迎え、謹んで新年のごあいさつを申し上げます。

 昨年(2020年)は、東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催など、希望にあふれた年になるはずでした。しかし、新型コロナウイルス感染症という予想だにしなかった事態になり、政府の危機管理のまずさも加わり試練の1年となりました。この間、病院など医療機関および医師・看護師をはじめとする医療職の活躍により医療崩壊に至らずに済んでおります。彼らの専門職としての使命感に支えられた献身的な働きには頭の下がる思いです。一刻も早く終息し、来年(2022年)は明るい新春を迎えられることを願っております。

 今回の流行により、日本の医療提供体制の多くの問題点が明らかになりました。その一つが、医師・看護師をはじめとする医療職の不足、また病院・介護施設の量・質の問題などです。現在進められている地域医療構想は、2025年に向けた医療提供体制や人員の効率化を目指したものです。

 しかし、今回のコロナ感染症の流行を考えると、現在の日本の医療提供体制の現状は量・質ともに、より充実しなければならないところが多くあります。立ち止まって再検討が必要です。

 一般社団法人日本社会医療法人協議会は2013年に設立、2021年で9年目を迎えました。社会医療法人は2006年医療法改正において、「公立病院改革が進む中、民間の高い活力を生かしながら、地域住民にとって不可欠な救急医療等確保事業を担う公益性の高い民間法人」として制度化されました。

 地域の住民・患者の協力を得た上での、地域の要求に応じた公益性の高いサービスの提供と公的な運営が要件となっております。具体的には医療計画における5事業、すなわち救急医療、災害時における医療、へき地の医療、周産期医療、小児医療(小児救急医療を含む)が要件となっております。

 現在、「新興感染症等の感染拡大時における医療」が新たに5事業に加わることが議論されております。すなわち、今後コロナ感染症対応が社会医療法人の担う事業の一つになります。2020年10月時点で325法人が社会医療法人として認定を受け、各地域で積極的に活動しております。今後その役割、責任はさらに重くなります。

 当協会は、社会医療法人を広く地域社会に認知していただくための活動および、会員法人が地域で活躍するための支援など、今後さらに活発な活動をしてまいりたいと思います。引き続き皆さまのご理解・ご支援をお願いいたします。

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