日本看護協会 会長 福井 トシ子

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 謹んで新年のごあいさつを申し上げます。私ども日本看護協会は、看護職が自主的に加入し、運営する日本最大の看護職能団体です。人々の健康的な生活の実現に向け日々活動しています。

 現下の新型コロナウイルス感染症の感染拡大では、多様な場において患者の最も身近なところでケアにあたる看護職、また多くの医療従事者の皆さまの献身と使命感に支えられ乗り越えています。この場をお借りして皆さまには心からの感謝と敬意を表します。日本看護協会においても現場の声を受け止め、医療機関などの経営支援や看護職の処遇改善などの国への要請、潜在看護職への就労支援や相談窓口の設置など、さまざまな支援に取り組んできました。蔓延が長期化しており、新たなニーズへの対応も迫られています。さまざまなニーズへ敏感かつ迅速に対応すべく、引き続き関係団体などと連携し、医療従事者が安心して働けるよう最大限の努力をしてまいる所存です。

 さて、2025年に向けた種々の改革を着実に進める一方で、その先の2040年を見通した取り組みへの着手が求められています。人口減少社会において、支え手の減少と医療需要の高まりに同時に対応していくためには、効率性の高い医療提供体制を確保する必要があります。その一翼を担う看護は、例えば医療機関では患者さんの再入院や重症化の予防、また地域においては生活に即した療養指導の実施など、人々の健康に貢献することによって、効率性の高い医療提供に寄与できると確信しています。

 看護の最大の強みは、医療の視点と生活支援の視点、双方のアセスメントに基づき一人ひとりの状況に寄り添ったケアが提供できることです。2040年に向けては国民の健康のため、看護の有資格者が生涯を通じ適材適所で活躍してもらえるよう資格活用基盤の確立にも積極的に取り組んでまいります。

 2020年はナイチンゲール生誕200年、WHOが定めた看護師・助産師の国際年であり、看護界では「Nursing Now キャンペーン」が世界各地で展開され、日本では「看護の力で健康な社会を!」をテーマに2021年6月まで取り組みます。看護職が持つ可能性を最大限に発揮し、人々の健康向上に貢献できるよう、皆さまからも本キャンペーンへのご賛同をよろしくお願い申し上げます。

 2021年の干支である辛丑(かのとうし)は、衰退と新たな芽生えの意味を持つとされます。一日も早いコロナ禍の収束と、この試練を乗り越えた新たな社会が安穏なものとなりますことを祈念いたしまして、年頭のごあいさつとさせていただきます。

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