徳島大学病院 病院長 香美 祥二

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 新年明けましておめでとうございます。新たな年を迎えるに当たり、一言ごあいさつ申し上げます。

 2019年は、従来より深刻な問題であったものが、厚労省の三位一体改革推進方針により喫緊に対処すべき課題として眼前に現れた年でした。 一方で、大きな副作用も引き起こしました。再編、統廃合の議論が求められる医療機関の実名報道や各専門診療科シーリングの公表は地域医療関係者に衝撃を与えました。働き方改革では、すでに期限、到着目標が設定され年次的に着実な時間外労働管理や必要医師数の確保が迫られております。

 つまり令和の時代は、地域の現実的な将来像を見据え、大学病院として求められる役割(高度な診療、教育、研究、地域医療貢献)に応えつつ着実に改革を進めていくことになります。

 本院は、2020年4月より特定行為研修センターを設置し、外科病棟や手術室における医師のタスクシフトを担える看護師を養成していきます。県全体から研修希望者を受け入れ、急性期医療や地域医療へ貢献できる看護師育成に貢献できればと願っています。

 2019年より医科歯科連携の下、周術期管理センターを開設しておりますが、2020年度も一層機能を充実し手術の安全性と質の向上、外科系医師の労務軽減を図ります。職員に勤務内での診療と研究・研鑽(さん)の意識を持ってもらうため新たに医師・歯科医師の時間外労働ガイドを作成します。勤怠管理の精度を上げることにより労働環境を改善したいと考えています。

 臨床と研究面では、2020年度、地域の医療ニーズに合致した総合アレルギーセンターと総合臨床研究センター(仮称)を開設します。特に後者は、事務部門を強化しシーズ開発支援や大学本部URA室との連携を通じて病院財産となる価値ある新規医療の開発に努めてまいります。本院職員や大学全体の臨床研究を支援する総合力を高めたセンターとなることを期待しています。

 入院患者さんや病院を訪れる地域の皆さまをあたたかく迎える環境整備も進めたいと考えています。

 院内コンサートや絵画ギャラリーを充実し大学病院ならではのホスピタル・アートを企画して癒やしの時間を増やし、地域とのつながりも強めたいと思っております。これらの病院行事は職場の雰囲気にも好影響があると思います。

 本年も地域に信頼され愛される大学病院となるよう職員一同頑張っていく所存ですのでよろしくお願いいたします。

 本年が皆さまにとりまして良い年でありますよう祈念し、年頭のごあいさつといたします。

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