岡山大学病院 病院長 金澤 右

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 新年あけましておめでとうございます。

 令和2年(2020年)は、私ども岡山大学病院にとりましては特別な年です。本年は、岡山大学病院開設150周年に当たる節目の年だからです。 150年前の1870(明治3)年4月に岡山大学医学部の前身である岡山藩医学館が設立され、6月には岡山藩医学館大病院が併設されました。これが岡山大学病院の前身に当たります。先人たちのご苦労とご努力を礎に、現在まで続いてきた本院の連綿たる歴史を若干振り返りたいと思います。

 岡山藩医学館は、西日本最大の医育機関である岡山県医学校を経て、1888(明治21)年には第三高等中学校医学部になり、全国に五つしかない官立医学校となります。一方、岡山藩医学館大病院は岡山県病院となり、附属病院機能を果たします。1922(大正11)年に岡山医科大学が設立され、本院は岡山医科大学附属医院と名称を改めます。1949(昭和24)年、岡山医科大学は新制岡山大学に包括され、岡山大学医学部となり、医学部には附属病院、三朝分院、金光分院、本島分院が設置されました。当時の医学部附属病院には、12診療科(第一内科、第二内科、第一外科、第二外科、産婦人科、皮膚・泌尿器科、眼科、耳鼻咽喉科、小児科、精神科、放射線科、歯科)がありました。2003年に医学部附属病院と歯学部附属病院が統合し、医学部・歯学部附属病院と改称、2007年には病院名を岡山大学病院と変更し、現在に至っております。

 本院の病院長室前の廊下の壁には、岡山医科大学附属医院初代院長の藤田秀太郎先生以来、39人の病院長全員の顔写真が飾られており、私は藤田先生から数えて40代目の病院長ということになります。私は、毎日のように歴代病院長先生方の顔写真を拝見しながら、身の引き締まる思いで病院運営に当たっております。

 現在の岡山大学病院は、病床数855床、年間外来患者数約66万人(2018年度)、615人の医師、1065人の看護師などを含む約2800人の職員が勤務する中国四国地方を代表する大学病院となっています。医科系37診療科、歯科系12診療科のほかに、さまざまなセンターや部門が設置されており、文字通り「最後のとりで」としての特定機能病院機能を最大限発揮できる陣容になっていると自負いたしております。

 医師の働き方改革等々、現在私ども病院が立ち向かうさまざまな問題はありますが、150年の歴史で培った知恵と力を振り絞りながら、職員と心一つに、さらなる輝かしい歴史を紡いでいくことを新年に当たって誓いたいと思います。

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