新春を迎え、謹んで新年のお慶びを申し上げます。2021年の干支は辛丑(かのとうし)です。「辛」は思い悩みながら、ゆっくりと衰退していくことや、痛みを伴う幕引きを意味します。「丑」は、種の中に今にもはち切れそうなくらい生命エネルギーが充満している状況です。2021年は、古きことに悩みながらも終わりを告げ、新しき芽生えを見いだす年になりそうです。
さて、2020年の最も大きな関心事は東京オリンピック・パラリンピック、看護職にとっては、ナイチンゲール生誕200年、Nursing Nowキャンペーンの年でした。しかし、新型コロナウイルス感染症の流行によって世界中が多くの困難に見舞われました。人々が健康と生活について改めて考える中、看護にも多くの注目が集まり、健康における看護職の重要性や担っている役割などが改めて認知されました。多くのねぎらいや励まし、応援をいただき感謝します。
人生100年時代と言われています。「ACP」「人生会議」など一人ひとりが自分の人生に向き合い、生き方を考える時代になりました。2025年のその先、2040年を見据えた社会の在り方の検討へと時は移っています。
高齢化社会では、多くの人が疾患と共に生活することになります。疾患をコントロールしながら、その人らしく生きる暮らし方の中で、体、心のサポートに看護職が関わっています。
看護職はそれぞれが専門性を持っています。地域の状況を把握し生活の場での支援をしている保健師、出産を中心に関わる助産師、在宅看護を担う訪問看護師、急性期の治療から回復へ向けて介入する看護師、さらに2015年に創設された「特定行為に係る看護師の研修制度」、38の特定行為の実施に必要な判断力ならびに高度かつ専門的な知識・技能の研修を修了した看護師(特定行為研修修了者)、32分野の専門的な知識や技術を持つ専門・認定看護師などです。
感染管理認定看護師は、2020年からの新型コロナウイルス感染拡大の対応にその専門性を発揮し、活躍しました。また、特定行為研修修了者のタイムリーな対応により、医療の質が向上している実態も示されています。
この先、少子高齢多死社会において、看護職は各々の専門性を発揮し、連携して日本看護協会が掲げる「生きるを、ともに、つくる」活動をしてまいります。皆さまのご支援ご協力をよろしくお願いします。
皆さま方にとって、この1年がますますのご発展とご活躍の年となりますことを祈念いたします。