九州合同法律事務所 弁護士 小林 洋二
今回からしばらく、救急医療の場面での医療事故をいくつか紹介していきたいと思います。
救急外来、時間外外来での医療事故の典型例は、患者がこれまでにない異変を感じて受診したにもかかわらず、診療にあたる医師がその訴えを軽視し、致命的な疾患を見逃すというものです。これまで報告したもののなかでは、第46回の小腸軸捻転、第47回の腸重責症などがそのパターンにあたります。
急性腹症の放置が死亡につながるのは、成人の場合も同様です。今回は、つい一カ月ほど前に和解が成立したケース。