新年あけましておめでとうございます。皆さまにおかれましては、穏やかな年をお迎えのこととお喜び申し上げます。また、2019年は、立て続けに台風が襲来し、暴風と大雨で甚大な被害がもたらされました。被災されました皆さまには心からお見舞い申し上げます。
さて、2020年は子年。子年は十二支の始まりで、エネルギーを蓄えて次に向かっていく年であり、また、ネズミは子孫繁栄の象徴でもあります。兵庫県看護協会も今までの取り組みを基盤に、AIやICTの活用などにより新たな看護を創造し、人生100年時代の県民の幸せと看護職のやりがいを向上させるよう、事業の強化を図っていきたいと思っています。
折しも今年、兵庫県は阪神・淡路大震災から25年を迎えます。被災県看護協会として培ってきた災害支援・看護の取り組みを発展させていきたいと思っています。
今までやってきた災害支援ナースの育成や災害支援派遣システムはより充実させ、また、前年度から取り組み始めている受援マニュアルについては、浸透を図っていきます。地球温暖化の影響などで災害の様相も大きく変化してきており、想定外の自然災害が頻発し、各地に甚大な被害をもたらしています。人ごとではなく自らのこととして、また、想定外のことが起こるということを想定して、県民を巻き込み平時からの備えができる取り組みを行っていきたいと思います。
AI、ICTは、ロボット手術や画像診断などで治療や診断に取り入れられ、インターネットを使った遠隔診療なども普及してきています。看護にも、モニタリングや見守りロボット、介護支援ロボットなどが開発されており、今後ますます普及していくものと思われます。患者に良いケアを効果的・効率的に実施するためにこれらの機器を有効に使うには、看護業務に対する発想の転換を図る必要があります。現場で働く看護職が発想の転換が図れるよう、さまざまな情報発信を行っていきたいと思います。
また、看護の役割は、ナイチンゲールの時代から「患者の自然治癒力を高める」ことです。Choosing Wiselyキャンペーンでは、「日々の医療・看護の場で、患者・利用者にとって「害」が少なく「益」が最大となる医療やケアを患者・家族との対話を通して明らかにする」(※)と言われています。時代が変わろうとも患者のそばにいる看護職は、常に患者にとっての最大の益を尊重する存在でありたいと思います。
今年も皆さまのご支援・ご指導をよろしくお願い申し上げます。
※小泉俊三・井部俊子:患者の「賢い選択」を支える看護、日本看護協会出版会2019