全日本病院協会 会長 猪口 雄二

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 明けましておめでとうございます。皆さまにおかれましては、つつがなく2020年の新春をお迎えのことと、心よりお喜び申し上げます。

 2019年10月の消費税率10%への引き上げによって、2025年を目指して進めてきた社会保障・税一体改革は一つの節目を迎えましたが、2025年の先を展望し、高齢化がピークを迎える2040年を見据えて社会保障の改革が検討されています。

 2025年以降は、人口減少が急速に進み、社会保障の担い手となる現役世代が減少すると予測されています。こうした中で、医療や介護のサービスの担い手の確保が大きな課題となっています。

 医療提供体制については、地域医療構想、医師の働き方改革、医師偏在対策の三つの改革が進められています。

 地域医療構想については、2019年9月に再編・統合の再検証を求める公立・公的医療機関のリストが公表され、大きなインパクトがありました。民間病院についてもデータを公表するとされていますが、公立・公的病院の指標と同じではなく、民間病院のあり方、行っている医療というものを十分に調査した上で分析を行っていただきたいと考えています。

 また、医師の働き方改革では、時間外労働の上限規制が医師に適用される2024年に向けて、労働時間短縮を進めるために、医師の業務についてさまざまな職種へのタスク・シフト/シェアが法改正も含めて検討されています。

 当然のことながらタスクを受けとる側の負担についても考慮が必要であり、個々の医療機関は、より高度なマネジメントが求められることになります。

 本年4月に予定されている診療報酬改定でも、医師の働き方改革の推進が重点課題となっています。働き方改革を推進するためには、当然のことながら人件費を含めてコスト増になることは明らかであり、病院団体としては入院基本料の増額を強く要望しています。

 医師偏在対策では、2020年度から医師偏在指標に基づく医師確保計画が動き出します。医師養成課程の見直しや総合医の養成などの課題についても検討が必要です。全日本病院協会では2018年度から開始した総合医育成事業をさらに推進していきたいと考えています。

 全日本病院協会は、会員病院数が2550を超え、わが国最大の病院団体となりました。われわれが取り組むべき課題は引き続き山積しています。 令和となって初めての新年を迎えるにあたり、執行部一同、そしてすべての会員とともに、一致団結して日本の医療、地域医療を支える病院団体として活動していく所存です。本年も、ご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

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