コロナ禍であえぐ今年の7月は梅雨前線が日本列島に居座り、各地に豪雨災害をもたらした。3日、九州、中部地方を中心に大雨が降り続き、河川の氾濫などが発生した。熊本県内では球磨川などの氾濫によって医療施設30施設が浸水した。29日には山形県の最上川が氾濫した。医療現場は今夏、水害対策に加えて、COVID―19(新型コロナウイルス感染症)の感染防止も求められている。
村唯一の診療所も被災
「4日に水が引いて診療所に入ろうとしたが、玄関の戸は打ち破られている。廊下は流木などゴミだらけ。診察室は泥が足首くらいまである。とにかく惨たんたる有り様」。熊本県球磨郡球磨村、医療法人蘇春堂球磨村診療所の橋口治院長は厳しい表情で語る。