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9月のがん征圧月間を検診促進のきっかけに

9月のがん征圧月間を検診促進のきっかけに

公益財団法人 福岡県すこやか健康事業団 松田 峻一良 理事長・会長(まつだ・しゅんいちろう)
1977年聖マリアンナ医科大学卒業。
福岡大学病院耳鼻咽喉科などを経て、2004年医療法人永聖会松田耳鼻咽喉科病院理事長。
2010年福岡県医師会会長就任。2018年から現職。

 がん検診をはじめとする各種健康診断事業を実施し、啓発活動にも力を入れる福岡県すこやか健康事業団。松田峻一良理事長・会長は「健やかな一生を過ごすために検診が非常に重要」と強調する。がん征圧に向けた取り組みや、その背景にある思いを聞いた。

―「がん征圧月間」の取り組みを教えてください。

 9月のがん征圧月間は、がんに関する正しい知識を普及し、検診による早期発見・早期治療の重要性を伝える1カ月です。全国で啓発活動が行われる中で、当事業団では今年も二つの大きなイベントを主催します。

 一つ目が9月7日・8日の2日間にわたり開催される「リレー・フォー・ライフ・ジャパン2019福岡」。今年11回目となりますが、がん患者やその家族、支援者がほぼ丸1日をかけてたすきをつなぎながら歩き続け、一緒に思いを分かち合う温かいイベントです。

 当事業団の職員も実行委員として運営に携わるだけでなく、他の参加者と共に、たすきをつなぎます。会場にはがん検診車を派遣するほか、がん知識の普及啓発ブースも設け、検診の重要性を訴えます。

 もう一つ重要な催しが、9月14日に行う「がん征圧の集い」。27回目を迎える今年は福岡市・天神で開催し、学術講演や、シンポジストに著名人を迎えてがん検診の重要性や予防の大切さを訴えるパネルディスカッション、精華女子高校の吹奏楽部とプロミュージシャンによるコラボレーションコンサートを実施します。会場前広場では「健康マルシェ2019」を開催。食や健康、がん検診に関わるブースの出展もあります。がん検診に関する知識を得るきっかけにしていただけたらと思います。

―がんに対して多様な取り組みをされています。

 当事業団では、5大がんに生活習慣病、労働衛生を合わせた六つの学術専門部会を設置し、県内の各大学や中核医療機関などから総勢83人の先生方に参加いただいています。

 年に一度は各部会のメンバーが一堂に会し、情報交換や活発な議論を交わします。例えば検診の開始年齢や内容については国のガイドラインがありますが、現状に即した提言をいただくなどして、検査の精度向上につなげています。また検診結果を集約し、学術研究センターで2次精密検査の追跡調査も行っており、データの活用方法についても有用な助言をいただきながら方向性を検討しています。

 当事業団が推進する「がん研究助成金事業」も、今年54回目を迎えました。多くの若手研究者のがん研究を支援しています。今後がん征圧に結びつくことを大いに期待しています。

―理事長・会長に就任後1年間の振り返りと展望を。

 昨年度は特に特定保健指導体制の充実に重点を置き、増員と運用体制の構築に力を入れました。健診結果を正確に素早くみなさんにフィードバックするため、データ管理や解析、統計作業などの見直しを行っています。

 私の夢であり最終目標は、いつか「遺伝子バンク」を作ること。現在、遺伝子からいくつかのがんが分かるようになりました。登録した遺伝子から、がんの早期発見やより効果的な薬へのマッチングなどにつなげられるよう、ふくおか健康づくり県民会議とも密に連携を取りながら、考察を進めていきたいと思っています。

 検査の重要性はまだ十分に伝わっていません。私の周りでも家族ががん検診を受けているかを知らない方がいるなど、思いが伝わっていないもどかしさを感じる場面が多くあります。がん征圧は「個人が、自分や家族が苦しまないために自発的に行うもの」だと私は考えます。今後もさまざまな啓発活動を通して訴え続けていきます。

公益財団法人 福岡県すこやか健康事業団
福岡市中央区天神4―1―32 天神リバーフロントビジネスセンター2階
☎092―722―2511(代表)
http://www.sukoken.or.jp/

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