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3本柱の基本理念で 地域医療をけん引する

3本柱の基本理念で 地域医療をけん引する

公益財団法人 仙台市医療センター 
土屋 誉 院長(つちや・たかし)

1979年東北大学医学部卒業。
磐城共立病院外科、米テキサス大学医学部ガルベストン校外科留学、
東北大学医学部臨床教授(胃腸外科)などを経て、2015年から現職。

 医師会病院として、地域密着型の運営を実践している仙台オープン病院。2018年11月に完成した新病棟は、東日本大震災の教訓が生かされ、災害に強い病院となった。土屋誉院長は、確固たる指針とともに、さらなる地域医療の質の向上を見据えている。

―新病棟の特徴は。

 大きな特徴として免震構造にしました。震度7の地震が発生した場合でも倒壊の心配はなく、患者さん、職員、地域の皆さんを守ることができます。

 また、救急外来を通常外来の隣につくり、災害時は一つのスペースとして対応。地下には多くの患者さんを収容できる会議室、駐車場にはトイレとして使えるマンホールを備えました。リニューアル前から設置しているヘリポート、自家発電、井戸からの地下水供給も加え、大きな災害が発生しても対応可能な設備が整ったと感じています。

―どのような運営を心掛けていますか。

 まず、当院の運営には高度医療・救急医療・予防(健診)という3本柱があります。

 高度医療に関しては、消化器病センター・循環器病センター・呼吸器病センターに多くのスタッフが在籍し、特に専門性の高い医療を行っています。新病棟完成のタイミングで導入した最新型のCTや血管撮影装置なども、高度医療の一端を担っています。

 次に救急医療。当院はER型救急医療を採用し、基本的に24時間体制で患者さんを受け入れています。また、登録医の要請を受けて当院から救急車を出動させることも多いため、救急救命士を配置。各専門医のバックアップ体制も含めて、合理的なシステムが構築されています。現在、入院患者の約4割は救急からの入院です。当院の大きな柱と言えるでしょう。

 3本目の柱である予防(健診)では地域健康講座が挙げられます。これは地域の方々の健康寿命を延ばす目的で始まり、年に50回程度開催。病気に対する検査・治療方法や認知症予防などのテーマ別に分かりやすくレクチャーしています。

 昨今、全国的に地域包括ケアシステムが推進されていますが、私はその中でも医療・介護・予防が重要だと考えています。当院としては医療だけでなく、予防にも積極的にアプローチし、地域の健康維持に貢献したいと思っています。

―他病院との連携や今後の方針を。

 1976年に仙台市医師会と仙台市が設立し、当初から登録医制度を導入している当院。

 1998年には全国第1号の地域医療支援病院として承認されました。このような経緯から、登録医との関係性が強い。当院には登録医から紹介された患者さんを電話1本でスムーズに受け入れる伝統があります。

 また、登録医は当院の診断機器を利用できますし、紹介した入院患者さんを回診することもあります。こうした連携によって、約650人の登録医に「自分たちの病院」と感じてもらうことは、地域医療の観点からも非常に重要です。

 市内の各総合病院とも必要に応じて連携を図っています。仙台市立病院とは2019年の11月に合同防災訓練を行い、災害時の協力体制などを確認しました。お互いに患者さんを優先的に考えて協力しています。

 運営指針である3本柱を変える必要はないと考えています。ただし、時代のニーズに応じて変化する部分も必要でしょう。「目標を変えないために、常にチャレンジを続ける」というイメージです。

 どの病院も経営が難しい時代ですが、制度ばかりに左右されず、まずは患者さんに満足してもらうことが大切です。当院も基本を忘れず、変化し続けながら、地域に親しまれる病院を目指していこうと思います。

公益財団法人 仙台市医療センター 仙台オープン病院
仙台市宮城野区鶴ケ谷5―22―1
☎022―252―1111(代表)
http://www.openhp.or.jp/

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