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3分野の専門医が協力 地域の健康づくりの拠点に

3分野の専門医が協力 地域の健康づくりの拠点に


院長(いじり・こうせい)

1987年岐阜大学医学部卒業。米ユタ州立大学、米ハーバード大学、
鹿児島大学大学院准教授、今給黎総合病院(現:いまきいれ総合病院)などを経て、2014年から現職。

 2014年に有床診療所として開設、その5年後に増床して急性期病院となった霧島整形外科病院。井㞍幸成院長に、脊椎脊髄疾患とスポーツ障害のリハビリテーションを柱とする診療体制の特徴や新たな取り組みを聞いた。

―病院化のメリットは。

 霧島地域は整形外科病院が少なく、高齢化の進行とともに専門治療を求める地域住民が増加。このニーズに責任を持って応えることを目指し、有床診療所を開設しました。

 オープン後、多くの患者さんが来院され、手術数も予想以上に増加しました。リハビリテーション室が手狭となり、院内での治療の完結が難しくなったことから、病床の倍増など、リハビリ室の拡大を中心に、増築を決断。病院として新たにスタートしました。

 患者さんはさらに増加し、手術数も診療所時代の1・5倍となり、病棟は満床状態が続くなど、経営的にも順調に進んでいます。病院化の目的の一つだったリハビリ治療の院内完結は、患者さんの増加などにより達成できず、現在、近隣の病院と連携を図っています。

 リハビリは本来、手術内容を熟知した理学療法士の手技によって行われることが重要です。院内でリハビリが完結できる体制を早期に実現する取り組みを進めたいと思います。

 当院の柱である脊椎脊髄外科の診療体制は、学会専門医である2人の整形外科医と1人の脳神経外科医が常勤し、チームをつくって治療に当たっています。脊髄などデリケートな組織は、脳神経外科医が得意とする手術用顕微鏡での手術の方がより安全に行える場合が少なくなく、両者がディスカッションして適切な手術を実施します。

 鹿児島大学病院から週1回、外来診療に訪れる脳神経内科の医師も、診療体制に加わります。特に脊髄疾患との鑑別診断が必要な頸椎(けいつい)、胸椎手術では入念なコンサルトを行い、3者よる立体的な視野の下で精度の高い診断を行っています。3分野の医師が協力して行う診療は当院の特徴と強みになっています。
 新たに開設した「外来ペインクリニック」は、専門医による最新の治療を提供しており、多くの患者さんに喜ばれています。

―新しい取り組みは。

 診療所開設時からの目標に地域の「健康プラットフォーム」になることがあります。健康維持や増進に温泉療法が大きな可能性を持っていることを以前から感じており、科学的に研究するドイツの大学病院にスタッフとともに5年間通い、その成果となる水中運動を市民対象の「プール教室」や、院内の「ヘルスケア教室」でも実施しています。

 目的は、検査や使用する薬の内容や必要性を患者さんに分かりやすく説明することで、治療の情報を医師、スタッフ、患者さんが共有することにあります。説明はリハビリを行う理学療法士がしています。

 学生でも気軽に利用できる「スポーツジム」を、街中のビルの一室に独立して新規開設し、経営する計画も進行中です。以前から地元の鹿児島実業高校野球部のファンで、スポーツ障害予防のため来院する彼らの姿を見るとうれしくなります。当院には同部在籍の経験を持つなど、さまざまな経験や職歴の理学療法士がおり、運動部のトレーナーとして帯同、選手の育成を行っています。その中で特に熱心な数人がスポーツジムを運営し、市民の体力づくりを応援する予定です。

 理学療法士や看護師には積極的な学会参加も促しています。2019年から院内研究会や、その延長として運動器治療領域での技術革新を目指す新規研究も立ち上げました。21年春から東北大学大学院医工学研究科に当院の優秀な人材を送り、企業や大学工学部と連携を図りながら研究を進めます。イノベーションを巻き起こすような結果報告ができる日を夢見ています。

医療法人術徳会 霧島整形外科病院
鹿児島県霧島市国分野口東8―31
☎0995―73―8840(代表)
https://kirishimaseikei.jp/

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