九州医事新報社 - 医療・医学の〝今〟を伝えて62年

2022年の新築移転で病院機能を拡充

2022年の新築移転で病院機能を拡充


吉田 憲正 院長(よしだ・のりまさ)

1980年京都府立医科大学卒業。
米ルイジアナ州立大学留学、京都府立医科大学講師、
京都第一赤十字病院副院長・消化器センター長などを経て、2019年から現職。

 2022年秋の新築移転に向け動き出している済生会京都府病院。乙訓地域唯一の公的病院として、開放型病床の提供を行うなど病診連携の歴史も長い。新病院は、地域完結型医療を目指し、機能が強化される。吉田憲正院長にその構想を聞いた。

―病院移転の背景は。

 1929年に京都市北区に開設した当院は、1983年に現在の場所に移転しています。40年近くになり、ハード面の老朽化や、駅から徒歩15分という立地など、患者さんのニーズと合わなくなってきている部分も出てきました。

 現状の設備では救急車や健診の受け入れも、この需要に対して十分に対応できているとは言えない状況です。当院は、乙訓地域で唯一の公的病院としてこれまでも中核の役割を担ってきました。今後はさらに、この地域完結型の医療を目指し、2022年の新築移転で機能を強化する予定です。

―具体的にはどのような病院に。

 新病院は、阪急西山天王山駅から直結する場所に移転します。6年前に新設されたこの駅の周辺は、比較的子育て世代などの若い人が多く、今後の人口減少は京都府の中でも緩やかと見込まれているエリアです。

 全体の病床数は現在と大きく変わりません。敷地面積は約1・5倍になり、救急部門、予防・健診部門、周産期・小児部門を含む急性期病院としての医療機能を拡充させます。これにより救急車の受け入れ台数は現在の約3000台から3割ほど増加する見込みです。

 また新生児集中治療室(NICU)を備えた周産期センターは、全室個室に変更し、時代のニーズに合ったものに変わります。地域の医療機関と連携し、住民に広く利用してもらえるよう周知していきたいですね。

―地域連携については。

 当院は開放型病床を開設し、地域医療連携を推進してきました。現病院では、ロビーに設置したデジタルポスターで地域の開業医の紹介などもしています。最近では看護師からの発案で、必要に応じて看護師が患者の退院後に訪問することで開業医との橋渡しをする活動も始めています。

 以前、京都第一赤十字病院の副院長などを務め、京都府医師会の活動にも長く携わってきました。今は医療機関とのやりとりもネット上で行われることが多くなっていますが、医師会活動なども含め「face to face」の交流を行うことで、病診連携はもっと強くなると実感しています。そのような交流の場を大切にしながら、地域連携を進めていきたいと思います。

―今後の取り組みは。

 移転を控える今は、決めるべきことがとても多い。長年の慣習となっていることも、先を見据えて改革する機会となります。細かい現場の意見を反映できるように、トップダウンだけでなくボトムアップが十分機能する体制づくりが重要でしょう。

 実現するには、多職種が働く病院において、膨大な情報を効率良く共有できる仕組みづくりが欠かせません。前任地でも、病院内の委員会において重複する項目の整理をするなど、幅広い職種からメンバーを集めることで、非常に効率が良くなったという経験があります。

 また、働き方改革への着手も喫緊の課題です。当院では、2019年12月に京都府では初となるAI問診「Ubie」を導入しました。まずは、限られた診療科でのみ試験的に利用を開始していますが、随時ほかの科でも導入予定です。

 患者さんがタブレット端末に入力したデータは即時カルテに反映されるため、医療従事者の入力の負担は大幅に軽減できるでしょう。それにより、診察中に医師が患者さんの顔を見て話せる時間も増える。AIの力も借りて、業務の効率化と医療の質の向上を図っていきたいですね。

社会福祉法人恩賜財団 済生会京都府病院
京都府長岡京市今里南平尾8
☎075―955―0111(代表)
https://kyoto.saiseikai.or.jp/

この記事を読んだ方は他にこんな記事も読んでいます

最新の記事情報が取得できます

Twitter

「いいね!」ボタンを押すと、最新情報がすぐに確認できるようになります。

Instagram

フォローする」ボタンを押すと、最新情報がすぐにツイート上で確認できるようになります。

Instagram did not return a 200.

コメントはこちらから

[contact-form-7 404 "Not Found"]
メニューを閉じる