九州医事新報社 - 医療・医学の〝今〟を伝えて62年

2020年2月新築移転 地域完結型医療を目指す

2020年2月新築移転 地域完結型医療を目指す

医療法人伸和会 延岡共立病院
宮崎県延岡市山月町5-5679-1 ☎0982-33-3268(代表)
http://www.nobeoka-kyoritu.or.jp/

 南北に長く、各地へのアクセスが不便な宮崎県。そのため各医療圏の基幹病院はもとより、地元の民間病院の存在が住民の医療を支えている。その一つ、県北にある延岡西臼杵地域の医療を担う延岡共立病院が、2020年2月に新築移転。防災や地域医療における役割について、赤須郁太郎院長に聞いた。

◎患者さんに寄り添い、地域で完結できる医療を実現する

 住宅地が広がる高台に新築移転した、地上6階建ての延岡共立病院。施設の老朽化に伴い、災害時に病院としての責務を果たすため、津波の被害のない高台に移転。耐震構造で、災害用ヘリポートを備えている。長きにわたり、延岡市や周辺地域の医療を支え続けてきた病院として、移転後も地元住民からの信頼に応える姿勢は変わらない。理念には「地元で完結できる医療」を掲げている。

 「この延岡市は、この土地で生まれ育ち、地元からほとんど出たことがないという人々が多く暮らす町です。それだけに、この病院に愛着を持って、長く通っていただいています」

 赤須院長で3代目。患者は、親、またその親の代から通い続けている人も少なくない。他の病院を紹介しようとしても「ここで治してほしい」と願う患者が多いという。

 「新病院建設に当たっては機能的なことはもちろん、患者さんに寄り添ってきた、地域に根差した病院であることを踏まえ、設計をしました」

 例えば、多くの患者が利用するリハビリテーションルームは、広いスペースを確保。そこから続く見晴らしの良い屋外スペースには、芝などを植栽した。患者さんが心地良くリハビリができるよう、さらに整えていくという。

管理スペースを中央に配置したICU

 集中治療室(ICU)は、患者やその家族に、少しでも前向きな気持ちで過ごしてもらいたいとの願いを込め、外の景色が見える大きな窓を備えた。管理スペースからぐるりと様子を観察できるよう、ベッドの配置にも配慮している。ベッド周りで煩雑になりがちな配線や器具は、赤須院長考案のオリジナルシーリングでまとめた。

 病院までのアクセスは、地元バス会社に交渉し、路線バスの乗り入れが決定。高台に移転したことで、懸念された高齢者の「足」も確保できた。

◎屋上ヘリポートを設置 防災拠点としての役割を果たす

 屋上には、防災ヘリコプターが離着陸できるヘリポートを設置した。これは、赤須巖理事長の強い希望で実現したものだという。病院がある延岡市は、宮崎市中心部から車で2時間近くかかるため、大きな災害が起こった場合に、孤立しかねないという懸念があるからだ。

 そこで考えたのが防災ヘリにも対応可能なヘリポートの設置だ。

「メディカルロード」と名付けられた1階フロア。災害時にはベッドを置いて対応に当たる

 宮崎県防災救急航空センターの防災救急ヘリ「あおぞら」の物資・人員を積載した最大重量を目安にし、対荷重量は5・4㌧と設定した。

 また、廊下の幅を広く取った1階フロアは、「メディカルロード」と名付けた。災害時には、多くのベッドを配置するためのスペースになる。予想される南海トラフ地震や日向灘地震といった大規模災害時に、地域を守る拠点としての期待が高まる。

◎地域住民の一生を支えるために

 電子カルテを導入するなど、院内システムを一新。さらには、「次代を担う子どもたちの教育に役立てたい」と、手術室を上から見学できる「見学室」を設けている。手術室の様子を、間近で見ることができるようになった。

赤須郁太郎院長

 旧病院の跡地を利用し、訪問看護ステーションを開設。さらに老人福祉施設などの併設も視野に入れている。山間部や過疎地域も多い地域のため、将来的には、孤立しがちな高齢者のために、「ついのすみか」となる場所をつくる構想も描いている。

 「機能や施設の充実はもちろん、患者さんに一生安心して通っていただけるよう、地域の皆さんに寄り添う病院であり続けたいと思います」

この記事を読んだ方は他にこんな記事も読んでいます

最新の記事情報が取得できます

Twitter

「いいね!」ボタンを押すと、最新情報がすぐに確認できるようになります。

Instagram

フォローする」ボタンを押すと、最新情報がすぐにツイート上で確認できるようになります。

Instagram has returned invalid data.

コメントはこちらから

メニューを閉じる