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2020年春に新病院 強化される点とは?

2020年春に新病院 強化される点とは?

医療法人三州会 大勝病院
鹿児島市真砂本町3─95 ☎099─253─1122(代表)
https://ookatsu.jp/

 神経内科とリハビリテーションの専門病院として1980年に開院した大勝病院。2020年春の完成を目指して新病院を建築中だ。設計に当たっては、現状の問題点を洗い出し、患者、医療スタッフの双方が利用しやすい空間づくりを考え抜いた。

◎直面している課題を新病院で解決したい

 医療の質の向上と設備の拡充を目的に、着々と建設が進められている医療法人三州会大勝病院の新病院。敷地内のグループホームを移転して容積率の確保に努めたことからも、このプロジェクトに対する強い思いがうかがえる。

 最大のテーマは現病院の課題の解決だ。例えば病院を受診する患者の多くは自力では通院が困難な障害者。玄関前のロータリーは送迎のクルマによって頻繁に混雑してしまう。

2020年春に完成を予定している新病院(イメージ)

 そこで新病院のエントランス付近は、いわば空港の送迎場をイメージした構造とした。クルマの流れが滞らないように十分なゆとりが確保される予定だ。

 館内にも機能性を高めるためのさまざまな工夫を凝らした。廊下は医療者や患者のスムーズな往来を想定した幅となっている。

 病棟フロアの中央にはドクターや看護師が常駐する見守りのためのスタッフステーションがある。病棟全体を見渡せる位置にあり、より行き届いたケアが可能になる。同時に患者のプライバシーもできるだけ守られるよう、ベッドとベッドの間には高めの家具を配置する。

 情報共有の強化を図るために、全館にLAN環境を整備する。電子カルテ、薬剤や栄養などの情報を一元的に管理。患者一人一人の症状に応じた診療やリハビリに活用する。また、カメラやセンサーによる見守りシステムも導入する。

 「現在の病院において何が課題なのかを徹底的に洗い出しました。そこで見えたことの解消を軸に新病院の設計を進めました」と大勝秀樹理事長。

 患者が足を運びやすく受診の負担を軽減できる。医療者はより充実した医療サービスを提供することができ、働き方の改善にもつながる。そんな病院を目指すという。

◎グループ施設と統合診療体制がさらに充実

 現在、大勝病院の病床数は260。医療法人三州会のグループ施設である高見馬場リハビリテーション病院(鹿児島市)が有する61床を統合することで、新病院は321床の規模となる。それぞれの医療機関の医療資源の集約化や増員も計画し、診療体制をさらに充実させていく方針。

 新病院が完成したのちに現病院の敷地は駐車場とリハビリ用の庭園として整備される予定だ。1階の訓練室も含めた院内外の敷地の活用で、リハビリの幅を広げるという。

◎神経筋疾患の「かかりつけ医」に

 ALS(筋萎縮性側索硬化症)やパーキンソン病などは専門的な治療を受けられる医療機関が限られる現状がある。

 近年、神経筋疾患の在宅療養へのニーズも高まっているとされ、人工呼吸器を装着して生活している患者へのケア、急変時の受け入れ体制の整備が求められている。そうした患者への対応についても、これからは一層積極的に関わっていきたいと考えている。

医療法人三州会
大勝秀樹理事長

 その背景には、こんな過去の教訓もある。大雨によって鹿児島市内に避難勧告が発令されたが、パーキンソン病の患者が避難所まで移動できなかった。そのため緊急の対応として受け入れたことがあった。

 大勝理事長は「当院にお越しになった患者さんの診療や入院での治療はもちろん、在宅を含めて頼っていただける、かかりつけ医でありたいですね」

 新病院でも引き続き開院時から強みとしている神経筋疾患とリハビリの2本柱を守っていきたいと語る大勝理事長。医療サービスをさらに磨き上げていく。

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