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2020年、創立90周年函館の地域医療を支え続け

2020年、創立90周年函館の地域医療を支え続け

社会福祉法人 函館厚生院 函館中央病院 本橋 雅壽 病院長 (もとはし・まさとし)
1983年北海道大学医学部卒業。仏アンリ・モンドール病院・研究所留学、
NTT東日本札幌病院血管外科長などを経て、2017年から現職。

 開院90年を来年に控える函館中央病院。「函館の街とともに育ってきた病院」と、本橋雅壽病院長は、その歴史に誇りを持つ。道南医療圏の基幹病院として「心ある医療」をモットーに急性期医療を担う。

―道南医療圏での役割は。

 北海道の地域の特性の一つが土地の広大さ。函館―札幌間の距離は、およそ300㌔で、本州で言えば東京から愛知までの距離とほぼ同じです。

 そう考えると、ここ函館から大学病院がある札幌まで患者さんを運ぶのが、容易ではないことは想像に難くないでしょう。だからこそ、函館の医療は、ある程度この地域で完結する必要がある。そのために25診療科、527床を有していますし、救急、総合診療科を中心に「断らない医療」を続けています。

 総合周産期母子医療センターは、医療圏の中でここが唯一で、NICUが9床、GCUが18床あります。医師は産科が6人、小児科が11人という体制です。

 当院での分娩数は2018年で738件と、圏内の出生数減にかかわらず前年より増加。総合周産期母子医療センターとしての役割もあってハイリスクの出産の割合は高まっており、現在は総数の半分ほどがハイリスク分娩です。われわれは、圏内のハイリスクの出産をすべて引き受ける覚悟を持っています。

 私は心臓外科医です。10年ほど前にこの病院に移ってからは、小児の心臓外科手術も担当しています。これも地域の医療はここで完結したいとの思いから始めました。

 函館に住んでいる患者さんが札幌まで行って大きな手術をするのは大変です。特に、小児医療では、子どもの付き添いのために保護者が仕事を休まなければならない場合も多く、体力面だけでなく、経済面でも大きな負担がかかります。

 病気以外の部分で大変な思いをする患者さんやご家族を少なくしたいという思いが、根底にあります。

 虐待の早期発見や子育て支援を通じた予防活動にも力を注いできました。

 7月27日(土)・28日(日)には、「第11回日本子ども虐待医学会学術集会」(会場:サン・リフレ函館)を、当院小児科の石倉亜矢子医師が大会長となって開催します。テーマは「かよわくて、きっとつよい―今日の一歩、踏み出す勇気―」。函館市内では児童相談所や警察などが虐待への対応で連携を強めています。函館の子どもたちの健康は責任を持って守る―。そんな気概を持って取り組んでいます。

―注力されていることは。

 この医療圏内の患者さんに高度な医療を提供できる病院を目指したいと考えています。例えば、北海道がん診療連携指定病院としてがんの診断、治療に力を入れています。2016年には道南唯一の腫瘍内科を設置しました。がんは今後、臓器横断的な治療がますます必要になってくるでしょう。腫瘍内科の役割も一層増すと考えています。

 今年4月にはケモサポート外来を開始。看護師・薬剤師が、抗がん剤治療前、あるいは導入中の患者さんの不安などを聞き、サポートしています。

 現在、当院にいる研修医は12人。研修医向けの朝の講義を実施するなど、教育面でのサポートを手厚くしています。講師は、当院の医師のほか北海道大学の教授にも依頼。教育体制を整備することが、当院の医療の質向上だけでなく、医師の確保にもつながると考えています。

 学会発表などアカデミックな活動も推奨しています。昨年は整形外科、放射線科、泌尿器科の医師たちが、海外の学会で発表。報告記事と写真を、病院ロビーに掲示して紹介しました。

 このような取り組みを通じて、当院でも最新の医療が受けられるということを、理解していただけるのではないかと思っています。

社会福祉法人 函館厚生院 函館中央病院 
北海道函館市本町33―2
☎0138―52―1231(代表)
http://chubyou.com/

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