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100年続く医療法人へ 挑戦し続ける組織であれ

100年続く医療法人へ 挑戦し続ける組織であれ


会長(かわはら・ひろひさ)

1967年名古屋大学医学部卒業。1979年名古屋共立病院設立、1982年医療法人偕行会理事長。

 1979年に開設した名古屋共立病院をはじめ、現在国内外に病院、クリニック、介護施設など、45施設を展開する医療法人偕行会グループ。40周年という節目の今年、川原弘久会長が描く未来は100年続く医療法人だ。

—40周年を振り返って。

 透析医療からスタートし、病院運営を手掛けるようになりました。

 腎臓内科医として透析医療に携わる中で、透析患者の合併症、がん治療への対応が必要になるだけでなく、患者さんの高齢化に伴い介護施設の必要性も出てきました。「患者さんにとって何が必要なのか」。このことを基本に、より良い医療を提供したいと考え、その中で多角的に広がってきたように思います。

 また、当グループは「総合的な医療をめざす」といった組織の理念や医療方針を掲げています。私はそれらをできるだけ忠実、かつ具体的に実践したいと考えてきました。

 そのために必要なのは「デイリーイノベーション」という考え方です。組織は常に新しい考え方やモノを取り込み、変化し、そして成長しなければ停滞します。加えて今や医療界も世界を見据えなければならない。医療技術もマネジメントの手法も時代に合わせて変わる必要があります。

 組織が成長すること、言い換えれば経営の柱が複数育つことで、職員の生活も安定します。そうすると組織への愛着も育ち、組織も強さを増す。何より、医療は国民に貢献できる。社会に貢献する組織として成長し続けたいのです。

 今は事業の継承が課題です。組織運営に対する私の考え方を受け継ぐ人材を育て、100年続く医療法人を目指して、挑戦し続ける組織づくりを目指します。

—次に挑戦したいテーマは。

 国内での医療の重要な課題は「進行がん」と「認知症」だと考えています。これに対し、グループとして積極的に治療や予防につながる方策を考えています。

 まず、「進行がん」については当グループをはじめ地域の働きかけもあり、2013年に「名古屋陽子線治療センター」が完成。東海4県の住民のがん治療の選択肢が広がりました。

 私の次なる大きな目標は、これに加えてBNCT(ホウ素中性子捕捉療法)ができる施設を愛知県内に建設すること。放射線治療の一種で、熱中性子線を照射します。あらかじめ投与したホウ素化合物との反応によって、腫瘍細胞をピンポイントで破壊する低侵襲な治療法です。課題もあると思いますが、総力を挙げて実現を目指します。

 認知症対策も課題でしょう。完治のための治療法が確立していない疾患ですから、できるだけMCI(軽度認知障害)の段階で予備群を見つけ、発症を抑えたり進行を遅らせたりすることが重要です。市内にあるグループの偕行会城西病院を認知症対策の拠点として位置付け、運動療法や音楽療法などを取り入れながら治療を進め、その成果を研究し治療法の確立に寄与したいと考えています。

—海外での展開についても積極的です。

 人口減に伴い国内の医療マーケットは縮小が予想されています。これに対してインバウンド、アウトバウンドに着目し、市場拡大につなげます。

 中国を中心に医療ツーリズムを展開していますが、次のステップとして中国国内にPETセンターを開設する計画を進めています。

 また、インドネシアではジャカルタにクリニックを開設しました。これをきっかけに、インドネシアの西スラウェシ州と連携しながら同地区の看護師を日本の介護士として育成するプロジェクトを進めています。

 今秋に、西スラウェシ州と介護教育プログラムや人材育成などについての覚書を締結します。実現すれば、愛知県や東海地区での介護人材の確保に貢献できると考えています。

医療法人偕行会グループ
名古屋市中川区法華1—161
☎052—363—7211(本部代表)
https://www.kaikou.or.jp/

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