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鳥取大学医学部 統合内科医学講座 画像診断治療学分野 高い臨床能力を持った画像診断の専門医を育成

鳥取大学医学部 統合内科医学講座 画像診断治療学分野 高い臨床能力を持った画像診断の専門医を育成

教授(ふじい・しんや)
1998年鳥取大学医学部卒業。
同大学附属病院講師、カナダ・マギル大学放射線診断科腹部放射線部門、
京都大学大学院医学研究科放射線医学講座留学などを経て、2018年から現職。

 鳥取大学医学部画像診断治療学分野(放射線科)は、高度かつ最先端の画像診断、IVR治療によって地域医療に大きく貢献している。2018年から教授を務める藤井進也氏は、人材の育成に注力し、地域全体の医療水準向上を目指す。

―教室の主な特徴を教えてください。

 画像診断部門と、インターベンショナルラジオロジー(IVR)部門に分かれており、それぞれに高度な診療・研究を行っています。

 画像診断部門では、CTやMRIによる断層画像や、PETなどの核医学検査で全身の疾患を診断しています。私の専門である産婦人科領域に加え、循環器、脳神経、胸部など、それぞれの領域に強いサブスペシャリティーを持つ医師がそろっていることも特徴の一つ。他の診療科からの要望に応え、適切に診断できるよう日々努力しています。

 IVRに関しては伝統的に取り組んできており、現在では、心大血管系と脳神経を除くほぼ全ての領域を扱っています。年間の症例数は600件ほど。さまざまな診療科からIVRを依頼されることも多く、院内において重要な役割を担っています。

―人材の育成について。

 放射線科の医師はモニターに向き合う時間が多く、実際に患者さんを診る機会は多くありません。患者さんが持っている苦しみなどをじかに知ることができず、心を通わせることが難しくなる可能性があります。そのため、研修医などには、常に患者さんの気持ちを考え、「患者さんから学ばせてもらっている」という意識を持つよう指導しています。

 また、私自身の経験をしっかりと還元することも重要と考えています。例えば若手医師の所見をチェックする際は、なるべく口頭で診断のコツ、考え方などを伝えるようにしています。

 書面の手直しだけでは分かりにくい、私自身が経験から得てきたものを言葉にすることで、後進の診断レベルを向上させることができればと思っています。

―放射線科を取り巻く現状の課題は。

 人材不足が一番の課題です。大学卒業後も鳥取県に残る研修医が少なく、放射線科を選ぶ人はさらに限られています。この現状をできるだけ改善するため、学生に対しては機会があるたびに放射線科の魅力を伝えています。

 地域全体でも、放射線科医が充足しているとは言えません。今後も厳しい状況は続くかもしれませんが、いずれは関連病院にIVRと画像診断の専門医を1人ずつ配置できるように努力したいですね。

―今後の目標について教えてください。

 まずは、臨床能力が高い画像診断の専門医の育成です。サブスペシャリティーももちろん重要ですが、さまざまな分野を理解しつつ、専門的な知識を得ている医師が求められています。

 全国的に実施されている日本放射線科専門医会などが開催する「画像診断症例クイズ」で上位に入るような医師が育てば、放射線科を目指す研修医が増え、他の診療科からの信頼もさらに厚くなるはずです。このような良いサイクルを作っていきたいと思います。

 画像診断の専門医を目指す若手にも、IVRの技術や知識を一通り習得させていくよう取り組んでいます。地域全体のマンパワー不足を補うためにも、IVRがある程度でき、あらゆる症例に対応できる医師を育てることが必要です。

 放射線科は、多くの人にとってなじみが薄い診療科かもしれません。しかし、病院全体の診断を担い、見えない部分で病院の医療レベルを支える重要な存在です。

 今後もその役割を自覚しながら、山陰地方全体の医療水準を都市部と同等以上に引き上げられるよう、人材の育成も含めて精進し続けたいと思います。


鳥取県米子市西町36―1 ☎️0859―33―1111(代表)
https://www.med.tottori-u.ac.jp/radio/

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