九州医事新報社 - 医療・医学の〝今〟を伝えて62年

高次機能障がいをサポート ケニアでの医療支援も継続

高次機能障がいをサポート  ケニアでの医療支援も継続


理事長・院長(たけい・みつお)

1985年大分医科大学医学部(現:大分大学医学部)卒業。
慈泉会相澤病院、別府リハビリテーションセンター、
九州大学生体防御医学研究所附属病院(現:九州大学病院)気候内科などを経て、
1997年医療法人光心会諏訪の杜クリニック開設、2000年から現職。

 障害者や高齢者を中心に内科的治療からリハビリテーションまで行う諏訪の杜病院。困っている人に質の良い医療を届けたいとアフリカ・ケニアの医療支援にも取り組む武居光雄理事長・院長に話を聞いた。

―大分県高次脳機能障がい支援拠点機関です。

 2007年に大分県から指定を受け、「見えない障害」と言われる高次脳機能障がいの社会的認知を高め、社会参加や就労支援などを実施しています。「見えない」と言われる理由は、次の通りです。例えば脳梗塞で病院に搬送された患者さんがいたとします。治療が進み、まひなどの後遺症がなく、身の回りのことも困ることがなくなったため退院し、職場復帰をします。しかし、ミスが多い、段取りが悪い、指示を忘れるなど、以前と異なる状態が続き、退職を余儀なくされ、生活も困窮する事態になってしまうことがあります。

 実はこれらの症状は、頭の傷病が原因で起こる、脳の認知機能の低下によるもの。病院では気付かれず、社会に戻って顕在化することが多いため「見えない障害」と呼ばれています。このような障害がある人たちに対し、手厚いサポートをするのが私たちの役割です。

―具体的には。

 急性期治療が終わった患者さんに、さまざまな画像診断、神経心理学的検査などを行い、本人やご家族と相談の上、リハビリテーションの方針を決めます。

 入院中のリハビリテーションは、主に能力向上を目指す機能訓練、残された機能を活用する代償手段獲得訓練など、医学的リハビリテーションを実施します。退院後は必要なリハビリテーションを通院して行うほか、障害の状態に応じたケアプランを作成し、長期にわたり支援します。

 就労支援は、当院のコーディネーターが各医療機関、保健所、ハローワーク、自治体担当課などを有機的に結ぶ「就労支援ネットワーク」を構築し、患者さんの希望に沿った働き方の実現に努めています。

 内部障害や発達障害の方には医療、福祉、保健を網羅した総合的支援を実施しています。内部障害に対して臓器の状況に適切に応じたリハビリテーションを立案し、理学療法士や作業療法士など多職種協働による包括的リハビリテーションを実施。発達障害に対しては小児専用の施設を開設し、それぞれの障害や特性に応じた療育、適切な薬物療法、スキルトレーニングなどを実施。入学や進学などライフステージに応じた支援を行っています。

―ケニアプロジェクトを含む今後の病院運営は。

ケニアでの活動の様子

 2013年からナイロビ市内やナクル地域で診療、健康診断、巡回診療などの医療支援を行っています。当院の海外医療従事者交流事業で来日したケニアの方を通じ、同国の劣悪な医療環境を知ったことがきっかけです。国の枠を超えて質の良い医療を届けたいと、ケニア保健省と連携しながら巡回診療を続けています。

 このプロジェクトは2019年、横浜市で開催された「第7回アフリカ開発会議」で紹介されました。同会議は日本政府主導の国際会議で、第7回は「医療向上」などがテーマ。当時首相だった安倍晋三氏のスピーチでも、私たちの活動を取り上げていただきました。

 さらには拡大する新型コロナウイルスの後遺症に悩む方のサポート、障害者や高齢者が自分らしく暮らせる地域の実現を目指す新たなプロジェクトも構想中です。支援を必要とする方々に、ぬくもりある手を差し伸べることが、当院の使命だと考えています。

医療法人光心会 諏訪の杜病院
大分市津守888―6 
☎097―567―1277(代表)
http://k-suwanomori.com/

この記事を読んだ方は他にこんな記事も読んでいます

最新の記事情報が取得できます

Twitter

「いいね!」ボタンを押すと、最新情報がすぐに確認できるようになります。

Instagram

フォローする」ボタンを押すと、最新情報がすぐにツイート上で確認できるようになります。

Instagram did not return a 200.

コメントはこちらから

[contact-form-7 404 "Not Found"]
メニューを閉じる