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高度生殖医療と産科分野で 女性の一生を見守る

高度生殖医療と産科分野で 女性の一生を見守る

医療法人社団 スズキ病院 
病院長(たなか・こうへい)

1977年秋田大学医学部卒業。新潟大学医学部産科婦人科、
香川医科大学(現:香川大学医学部)母子科学講座、
秋田赤十字病院、スズキ記念病院副院長などを経て、2017年から現職。

 1986年、生殖医療専門病院として開院したスズキ記念病院。不妊治療、周産期医療、婦人科診療を中心として、宮城県南地域の女性の健康を守っている。田中耕平病院長に病院の強みや生殖医療の現状、今後の展望について話を聞いた。

―病院の特徴は。

 1983年、体外受精による妊娠・出産が日本で初めて成功。そのチームを率いた東北大学医学部産婦人科教授であった鈴木雅洲先生が退官後、1986年に不妊治療をメインとするスズキ病院(現:スズキ記念病院)を開設されたのがはじまりです。

 当時は世間的に体外受精への抵抗が強く、「試験管ベビー」などと、呼ばれるような時代でした。当院にも批判的な声が多数届いたようです。しかし、鈴木先生は確固たる信念を持ち続け、その後も不妊治療の技術を次々と確立。後進の育成や外部への情報発信などにも尽力され、生殖医療専門病院としての礎を築かれました。

 当院は生殖医療科だけでなく、婦人科、産科、小児科・小児外科も設置しています。そのため、妊娠前から産後までを一貫してサポートできることが強みです。年間の出産件数は約800件で、宮城県南地域における出産数の多くを占めています。また、子宮筋腫や卵巣腫瘍などの婦人科合併症、妊娠や出産のリスクを高める糖尿病、高血圧の治療にも取り組んでいます。

 最近は産後ケアの一つとして、母児利用型デイケアを導入しました。助産師が育児に自信をなくしたお母さんに話を聞いたり、一緒に母乳やミルクを飲ませたりして、お母さんには夕方までゆっくり休んで疲れをとっていただきます。自治体の補助金制度があるので、利用者は費用面でも安心できると思います。

 2019年度内には宿泊型の産後ケアも始める予定です。精神科医とタイアップしたカウンセリング、ベビーマッサージなども取り入れ、子育てに奮闘しているお母さんを応援していきます。

―生殖医療の現状や治療について教えてください。

 2018年度、当院で不妊治療を希望した人の平均年齢は女性が33・6歳、男性は34・8歳でした。以前に比べて40代以上の初診が少し減っています。

 来院のきっかけとしては、親世代からの紹介が比較的多く、これは当院の歴史が長いことも影響しているでしょう。近隣地域だけでなく、福島県や岩手県の沿岸部から訪れる人もいます。

 具体的な診療の流れは、不妊症の方は直接、生殖医療科で専門医が対応します。そこで一連の検査や診断をした後、異常がなければタイミング療法、次に人工授精、体外受精とステップを踏んで、妊娠を目指します。

 現在、人工授精の成功率は約16%、体外受精は約40%。40代以上の体外受精は約20%です。治療の過程では、理想と現実のギャップに悩む患者さんもいますので、産後ケアと同様にメンタル面のサポートも用意しています。

―今後は。

 自治体に周産期医療の課題やニーズを伝え、新たな補助金制度の導入などを、一緒に検討しています。また、0~3歳のお子さんとそのご家族を対象に、自由に遊べる場所として当院の大ホールを地域に開放。ハロウィーンやクリスマスの時期にはイベントも開催しています。

 こうした取り組みによって、皆さんに親しみを持ってもらうことも、当院の大切な役割だと考えています。創設者である鈴木先生が掲げた「女性のための総合病院」という理念は、今後も変えません。

 すでに当院は進行がんなどを除いて、女性が抱える悩みや病気をケアできる体制が整っていますが、さらに発展させたいと思っています。特に不妊は女性にとって大きな問題ですので、診療以外のケアを含めて強化したいですね。

医療法人社団 スズキ病院 スズキ記念病院
宮城県岩沼市里の杜3―5―5
☎0223―23―3111 (代表)
http://www.suzuki-hospital.jp/

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