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高度急性期強化に向け 建て替え計画に着手

高度急性期強化に向け 建て替え計画に着手

 柏木 秀幸 院長(かしわぎ・ひでゆき)
1978年東京慈恵会医科大学卒業。同附属柏病院副院長、同外科学講座(消化管外科)教授などを経て、
2017年から現職。


 富士市と富士宮市で構成される富士医療圏で唯一、500床を超える中核病院。将来にわたって地域医療を支え続けるため、建て替えの具体的検討に入る。急性期医療を牽(けん)引して35年、病院は今、新たな転換期を迎えている。

―地域医療や病院の現状と取り組みを。

 特に富士市の高度医療、救急医療の多くは当院に依存している状況です。

 ここ10年ほどで病院機能はかなり強化されてきましたが、他医療機関との連携は急務。そこで2018年1月、地域医療支援病院の承認を取得。地域医療連携室を発展させ、同4月に地域医療連携センターを開設しました。

 結果、一部の急性期、そして回復期・慢性期へとつなぐ仕組みが構築されてきました。もう少し救急医療の連携を推進したいところです。

 現在は、当院が各病院と患者さんの紹介・逆紹介をし合う2WAYの連携が主。将来的には、市全体の医療機関が互いにつながり合う体制を築くことが目標です。当院の地域医療連携センターが核となって推進していきたいですね。


―「第3次中期経営改善計画」がスタートしました。

  地域医療構想の中で、この病院はどうあるべきか。再確認するため10年前に計画が立ち上がり、昨年度、第2次が終了。「患者サービスの向上」「良質な医療の提供」「経営基盤の強化」を基本施策に取り組んできました。

 この間、診療患者数などは増えたものの、必ずしも収益の伸びにはつながらなかった。そこでこの4月スタートの第3次計画では、救急医療、高度急性期、医療連携に加え、人材育成を病院の柱として掲げつつ、より経営改善、運営の効率化を進めていきます。

 注力したいのは、働き方改革。静岡県は医師数が少なく、中でも東部は一層少ない地域。なんとか増員してきましたが、まだ足りないのが現状です。

 当院の入院患者のうち3分の1、内科系は半分以上が救急患者。限られた人員で救急を担う負担は増しています。

 ドクターの大半は、東京慈恵会医科大学をはじめとする大学医局からの派遣。満足度が下がると当然、大学も医師を送りにくくなる。分業をより進めて効率化し、労働環境を改善したいですね。

 勤務環境改善委員会で取り組んでいるところです。根本的解決には増員しかないでしょう。第3次中期計画では高度急性期機能の強化もうたわれていますが、これも、病床数と職員数を確保しないと担保できません。そこで必須なのが人材育成です。

 医療職のキャリアパスを制度化する。看護師なら認定などの資格取得を支援する。高度急性期を担うだけの人材を各部門で育成できれば、病院の魅力が向上し、求心力も高まると思っています。高度急性期を強化するには、病院施設も整備しなくてはならない。計画には、その点も盛り込まれています。


―建て替え計画の進捗は。

 院内の新病院検討委員会でまとめた内容をもとに、昨年は市で検討が進められましたが、具体的な計画はこれからですね。

 今の土地は市の所有ですが手狭で、駐車場の場所の一部は借りている状態。ここでの建て替えは厳しいでしょう。移転先は便利な場所が理想ですが、災害拠点病院としても機能するにはある程度の広さが必要です。土地の問題は市に任せるしかないので、私たちは、できる準備を粛々と進めるだけです。

 私は、病院の総合力は「スタッフがどれだけ協力して動けるか」だと思っています。ここは大学病院のようなスペシャリストがそろうわけではありませんが、医療の92%、救急医療に関しては99・5%を地域で完結させています。人を育てチーム連携を強化する、さらに地域の医療連携も進める。これで完結力を高めれば、20年後、30年後の未来があると思っています。


富士市立中央病院
静岡県富士市高島町50
☎0545―52―1131(代表)
http://byoin.city.fuji.shizuoka.jp/h

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