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高度急性期医療維持のため積極的な設備投資を

高度急性期医療維持のため積極的な設備投資を


梶川 昌二 病院長(かじかわ・しょうじ)

1980年信州大学医学部卒業。
同附属病院、長野県立木曽病院、諏訪赤十字病院副院長などを経て、
2018年から現職。諏訪赤十字看護専門学校長兼任。

 諏訪湖を臨む場所に建つ諏訪赤十字病院。長きにわたって、高度急性期医療を軸としながら災害医療や救命救急、周産期医療などに取り組んできた。今後の高齢化や人口動態を踏まえ、将来的な病院のあり方はどう変わるのか、現在の取り組みと展望を聞いた。

─地域における役割は。

 長野県の諏訪医療圏は、人口が19万人ほどです。地域がん診療連携拠点病院、地域医療支援病院などの認定を受け、地域の基幹病院としての役割を担っています。高度急性期医療においては、長野県のみならず、医療圏を越えて、幅広く対応している状況です。
 
 これまでに設備投資も積極的に行ってきました。PET─CTやダビンチ、IMRT(強度変調放射線治療)などの最新装置を導入。鏡視下手術センター設置に続いて、2019年には手術室を二つ増やし、9室になりました。一つはTAVI(経カテーテル的大動脈弁置換術)に対応できるハイブリッド手術室、もう一つはロボット手術にも対応できる手術室になっています。
 
 地域周産期母子医療センターでは、NICU(新生児集中治療室)、GCU(回復治療室)を備えています。少子化で産婦人科が縮小している中、この地域の周産期医療を担っていきたいと思います。

 高額な投資が続いており、経営的には難しい状況が続いています。しかし、高度医療の充実を図るためには必要であると捉えています。材料費を見直すなど、ほかの部分を調整し、安定的な経営を目指していきたいと思います。

─地域連携を強化されています。

 諏訪医療圏の救命救急センターとして、24時間365日断らない医療を目指しています。中でも地域から期待されているのがドクターカーの運用です。諏訪市との運用協定を結ぶだけでなく、諏訪市や岡谷市、茅野市など6市町村で構成される諏訪広域連合と連携し、要請を受けて搬送しています。
 
 近隣には中央道や峠などがあって規模の大きな交通事故も発生するため、そのような際には一人でも多くの患者さんが助かるよう、全力を注いでいます。
 
 さらに、地域の医療機関との連携を進めています。現在は紹介率が100%弱、逆紹介率が100%超の状況で、かかりつけ医との連携が欠かせません。
 
 その中で、精神科の医師が充実している当院に期待が寄せられています。認知症疾患の医療センターの認定も受ける方向で準備をしており、地域包括ケアの中核として機能していければと考えています。
 
 新たなエネルギーシステムも導入しました。2018年3月に管理棟を新築。その際、この地域特有の温泉熱を利用し、下水熱などの地熱を利用したエネルギーセンターを1階に設置。省エネルギー化も実現できました。

─今後の展望について。

 2019年9月、中央道「諏訪湖サービスエリア」へのスマートインターチェンジ設置が承認されました。完成すると当院へのアクセスが非常に良好になるため、救急搬送も含め、広域の医療に貢献できると思っています。
 
 2022年度、当院は赤十字に移管して100周年となります。これから先の100年を目指した病院づくりをする必要があります。地方都市は、人口動態や経済状況の見通しが厳しいのが実情。この地域の活性化のためにも、当院が地域医療の中心的な役割を担えたらと願っています。
 
 当院は、24時間の勤務体制で、年間の病床稼働率が96%以上あり、非常に忙しい職場になってしまっています。働き方改革の波も迫ってきています。職員がゆとりを持って充実した仕事ができるよう、少しでも職員満足度の高い病院づくりを進めていけたらと思っています。

諏訪赤十字病院
長野県諏訪市湖岸通り5─11─50
☎0266─52─6111(代表)
http://www.suwa.jrc.or.jp/




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