九州医事新報社 - 医療・医学の〝今〟を伝えて62年

高度な医療設備を有しチーム医療のさらなる徹底へ

高度な医療設備を有しチーム医療のさらなる徹底へ

社会福祉法人恩賜財団 済生会宇都宮病院 小林 健二 院長(こばやし・けんじ)
1976年慶應義塾大学医学部卒業。
同外科学教室、済生会宇都宮病院救命救急センター所長、副院長などを経て、
2016年から現職。済生会宇都宮病院看護専門学校長を兼任。

 今年、設立77年目を迎える済生会宇都宮病院。栃木県で初の救命救急センターを設置した歴史を持ち、急性期病院として地域と共に歩んできた。宇都宮市の高度医療・地域医療を支える役割は大きい。昨年、ICUや手術室の拡充を行うなど、宇都宮市の基幹病院としての存在感が高まる中で、病院内の改革も進んでいる。

―救急医療と高度医療という両面を担っています。

 一番の特徴は「高度医療と救急医療」を併せ持った総合病院である、ということです。昨年、ICUの機能を拡充。ハイブリッド手術室や、手術支援ロボットである「ダビンチ」を導入し、高度医療機関としての設備を強化しました。実際、今年の救急患者受け入れ数は昨年を上回るペースで推移しています。

 設備を充実させる目的は、「地域医療への貢献」に他なりません。実際、当院は救急が窓口となって、その後通院となる患者さんのケースが非常に多く、救急設備の拡充は喫緊の課題でもありました。さらに済生会全体で見れば、外国人の方の受け入れや生活困窮者の救済、また乳児院や性暴力救済センターの運営を行うなど福祉的な要素も併せ持っています。すべての患者さんに、満足度の高い診療を行うことをモットーに日々診療に当たっています。

―チーム医療を重要視しているそうですね。

 特に現場では医師と医療スタッフとの連携を重要視しています。私が院長に就任してまずは診療科の垣根をなくしたい、という思いから「あいさつ運動」を始めました。一言、言葉を交わすだけでもお互いの信頼関係にプラスになるだけでなく、医療安全にもつなが
ります。実際に「病院内の雰囲気が明るくなった」と患者さんからお褒めいただくこともあります。

 さらに踏み込んだ例を挙げると「患者さんの容態を看護師自身に判断させ、医師に進言する」ことを進めています。患者さんの一番近くにいるのは、間違いなく看護師です。これまで培ってきた看護師独自の視点で患者さんを「診る」こともこの先のチーム医療には欠かせないキーワードになる、と私は考えています。

 これは医師の働き方改革でもあります。仕事を医療スタッフにただ振るのではなく、ある程度まで信頼して、裁量権を渡す。それは医師の仕事量の適正化にもつながるはずです。これこそが本当のチーム医療の姿だと私は思っています。

―将来を見据えた今後の病院改革は。

 病院で働くスタッフ全員が一丸となって、患者さんが望む医療を提供すること。そのためにはこれまでの慣例にも切り込んだ制度改革が必要だと思っています。今年、病院の理念をリニューアルし、新しいスタートを切りました。

 これは、昨年行った「経営セミナー」の中で職員が主体となって決めた理念です。理念はトップダウンではなかなか浸透しません。そこで、職員に病院の経営
やビジョンを一緒に考えてもらうことで、働きがいの創出を図りました。5年ほど前から年に1回開催している経営セミナーも継続して定着させていきたいと考えています。

 また、忘れてはいけないのが医師・スタッフの育成、確保です。救急外来やICUといった高度医療設備を充実させることは、「働いてみたい」という意欲を高めることにもつながると考えています。これも当院における、一つの人材確保の手段と言えます。

 業務外の取り組みとしてはスポーツ大会を開催するなど、スタッフが楽しめるレクリエーションの充実にも力を入れています。仕事上のつながりだけでなく、「人と人」のつながりを創出することによって、働くすべてのスタッフがやりがいを感じられる体制にしていきたいですね。

社会福祉法人恩賜財団  済生会宇都宮病院
栃木県宇都宮市竹林町911―1
☎028―626―5500(代表)
http://www.saimiya.com/

この記事を読んだ方は他にこんな記事も読んでいます

最新の記事情報が取得できます

Twitter

「いいね!」ボタンを押すと、最新情報がすぐに確認できるようになります。

Instagram

フォローする」ボタンを押すと、最新情報がすぐにツイート上で確認できるようになります。

コメントはこちらから

メニューを閉じる