九州医事新報社 - 医療・医学の〝今〟を伝えて62年

兵庫医科大学 皮膚科学講座 高度な医療を提供し患者の悩みに寄り添う

兵庫医科大学 皮膚科学講座 高度な医療を提供し患者の悩みに寄り添う

金澤 伸雄 主任教授(かなざわ・のぶお)
1994年京都大学医学部卒業。同大学大学院医学研究科内科系博
士課程医化学教室、独エアランゲン大学皮膚科、和歌山県立医科
大学医学部皮膚科准教授などを経て、2020年から現職。

 2020年10月、兵庫医科大学皮膚科学の主任教授に就任した金澤伸雄氏。学内外の皮膚科医が交流する場の創設、新研究の意欲的な目標、働き方改革の取り組みなど、今後の講座の運営方針を聞いた。


―皮膚科学の魅力は。

 「環境と身体を隔てる皮膚は人体最大の臓器であり、最前線のバリアーである」という点にあります。したがって、バリアーとしてのメカニズムを知ることが皮膚科学の目標の一つになるわけですが、「バリアーだけでなくセン
サーである」という点にも私は大きな魅力を感じています。

 人間が独立した個体として存在するためには外界の状況を知り、状況に応じた対処を行っていくことが必要です。その役割を皮膚が担っており、研究対象としても非常に興味深いものです。

 皮膚は人体の最も外側にあり、何か障害が起きると他人の目につくため、患者さんのメンタルな部分にダメージを与えることが少なくありません。生活の質を保つ上でも非常に重要であり、状態を少しでも早く良好に整えることは、患者さんの心までも救うことにつながります。

 皮膚を通して、患者さんの内側にある気持ちを診る。これが皮膚科学の最大の魅力だと思っています。上手に伝わっているかどうかは分かりませんが、学生や若い先生たちには常に語っています。


―皮膚に興味を持ったのは

 中学生の頃から私自身がアトピー性皮膚炎に悩んできたこともあり、皮膚は常に重要な問題でした。そこで皮膚の免疫について学びたいと思い、京都大学医学部に進学しました。

 卒業後、兵庫県立尼崎総合医療センター皮膚科での勤務を経て、母校の京都大学大学院医学研究科内科系博士課程に入学し、医化学教室で4年間、基礎研究に従事しました。指導教授は、2018年にPD―1抗体によるがん免疫療法でノーベル賞を受賞した本庶佑先生。ノックアウトマウスを作成し、その結果を立て続けに発表していた時期で、その革新的な研究活動を間近に見る幸運に恵まれました。

 本庶先生の研究成果は長い時間をかけ、テーマを磨き上げて築いたものです。未知なるものに挑戦し、諦めず努力し続け、未来の扉を開いた先生の姿は、今も私の研究者としての普遍のスタンスになっています。


―講座運営の方向性は。

 診療面では、地域の病院や開業医の方との連携強化を図り、当講座が学内外の皮膚科医の交流の場となることをめざします。その一環として2021年6月、30人の先生方が参加する「症例持ち寄り会」をネット上で開催しました。今後も定期的に実施します。

 研究面では、自己炎症性疾患の一つ「中條・西村症候群」に関連した新研究に着手します。この病気はタンパク質分解酵素複合体プロテアソームの機能不全により起こる劣性遺伝病で近年、海外でも患者さんが報告されています。

 発症メカニズムを分子レベルで解明し、その成果を後天的に起こる病気、例えばリウマチなどに悩む患者さん個々の症状に応じた治療に応用する、皮膚炎症疾患領域でのプレシジョン・メディシン(精密医療)を実現したいと考えています。

 また、働き方改革も重視しています。当講座には多くの女性医師がいます。産休などの臨機応変な対応はもちろん、職場環境をさらに整備し、さまざまな理由から離れざるを得なかった女性医師を呼び戻し、自己実現に再度、取り組めるようにしたいと考えています。

 カンファレンスは、私が留学したドイツのエアランゲン大学皮膚科のように、誰でも発言でき、どのような意見も尊重される、自由闊達(かったつ)な場にしたいと思っています。スタッフ一人ひとりが成長し、その集合体を当講座の実態とすることが目標です。


●兵庫医科大学 皮膚科学講座
兵庫県西宮市武庫川町1ー1 ☎0798―45―6111(代表) 
https://www.hyo-med.ac.jp/department/drmt/

この記事を読んだ方は他にこんな記事も読んでいます

最新の記事情報が取得できます

Twitter

「いいね!」ボタンを押すと、最新情報がすぐに確認できるようになります。

Instagram

フォローする」ボタンを押すと、最新情報がすぐにツイート上で確認できるようになります。

Instagram did not return a 200.

コメントはこちらから

[contact-form-7 404 "Not Found"]
メニューを閉じる