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高い専門性を前提にきめ細かい良質な医療を

高い専門性を前提にきめ細かい良質な医療を

一般財団法人京都地域医療学際研究所 がくさい病院
病院長(うえしま・けいいちろう)

1993年国立福井医科大学医学部卒業。
仏パリ第5大学附属コシャン病院留学、京都府立医科大学附属病院リハビリテーション部准教授、
京都地域医療学際研究所がくさい病院副院長などを経て、2019年から現職。
京都府立医科大学臨床教授兼任。

 京都府医師会によって設立され、長年にわたって質の高い医療や介護を、学際的かつ総合的に提供してきた一般財団法人京都地域医療学際研究所。研究所の附属病院であるがくさい病院は、地域における中核施設として、安全で安心な医療と介護の提供に努めてきた。高い専門性を維持しながら、さらなる診療の質の向上を目指す病院全体の取り組みとは。

─病院の特徴は。

 整形外科・スポーツ整形外科を中心とした整形外科診療と、回復期リハビリテーションを病院の柱とした特徴ある病院です。

 長年、整形外科に関しては、主に関節外科を中心に診療を行っています。その中でも得意とする分野が、下肢関節外科です。股関節、膝関節を中心に、変形性関節症に対する人工関節置換術をはじめ、高位脛骨(こういけいこつ)骨切り術による関節温存治療にも取り組み、数多くの症例を治療しています。

 全体の年間手術件数が約1200件、そのうちの約300例が人工関節、骨切り術となっています。

 整形外科診療のもう一つの柱がスポーツ整形外科です。半月板損傷や前十字靱帯損傷に対する靱帯再建術、膝に限らず足関節、肩、肘のスポーツ外傷・障害に対して、侵襲の少ない関節鏡下手術に取り組んでいます。関節鏡を用いた手術は、年間約600例にも上ります。

 スポーツに特化したアスレチックリハビリテーションの充実も当院の特徴の一つ。アスリート対象のリハビリは、一般の患者さんのように、単にけがが治れば良いものではありません。

 早期復帰を目指し、さらにはパフォーマンスの向上、けがの再発予防を含め、コンディショニングなどの指導にも取り組んでいます。長年の臨床の蓄積と経験だけにとどまらず、客観的な科学的データを基に、復帰できるタイミングを計っていきます。

 回復期リハビリテーションに関しては、リハビリテーション科の常勤のドクター3人と理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が約40人。さらに看護師、介護士、薬剤師、栄養士といった各専門職が連携し、医療を提供しています。

 それぞれの専門性を十分に発揮し、総合的なチーム医療体制で「365日入院生活すべてがリハビリテーション治療」の考えのもと患者をサポート。各専門職間のコミュニケーションを積極的に図りながら、リハビリプログラムを実施し、高い在宅復帰率の実績を上げています。

─病院全体での取り組みについて。

 病院機能評価を受審し、2019年に認可が下りました。受審に当たり全職員が共通の目的意識を持ち積極的に取り組めたことも大きな収穫だと思っています。

 病院の基本理念である「安全で、質の高い、信頼される医療と介護を目指す」について、あらためて考え直す良い機会になりました。客観的視点で評価をいただいたことで個々の職員の意識も少し変わったのではないかと思います。今後はまた部署ごとに課題を挙げ、さらによりよい医療の追求に取り組んでいきます。

─今後の方針は。

 病床数90床と、病院の規模としてはこぢんまりしています。それゆえ多職種間の連携も良く、病院全体を通して意思疎通をとりやすい環境です。スタッフのモチベーションも高く、自主的に内部の研修会を立ち上げるなど、病院全体で取り組む努力を欠かさない前向きな姿勢が見えます。

 それぞれのスタッフが、その役目ごとにやりがいを持って臨んでいます。そのことによって、患者さんの意欲をうまく引き出し、治療につなげられているのではないかと感じています。

 回復期の分野ではまだ5年目と浅いため、今後は次世代を担うリーダー育成と、生きがいを持ち長く働ける職場環境の整備に力を入れ、より体制を成熟させていくことが課題です。

一般財団法人京都地域医療学際研究所 がくさい病院
京都市中京区壬生東高田町1―9
☎075─754─7111(代表)
http://www.gakusai-hp.jp/

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