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離島支援・災害支援を含め時代のニーズに応える

離島支援・災害支援を含め時代のニーズに応える

  立花 一幸 管理者(たちばな・かず ゆき)
1982年自治医科大学医学部卒業。長崎県離島医療圏組合上対馬病院長、
国立嬉野病院外科医長・救急総合診療センター長、
医療法人天神会新古賀病院消化器外科部長・救急総合診療センター長などを経て、2008年から現職。

 大村市直営の市民病院としてスタートし、2008年に地域医療振興協会へ運営が移管、2年前には念願の新病院が竣工と歴史を刻んできた市立大村市民病院。県央地域における役割や離島事業などについて、立花一幸管理者に聞いた。

―貴院の果たすべき役割とは。

 大村市がある県央地域は、3次医療、3次救急を担う長崎医療センター、そして開業施設が80ほどあり、その中で当院は2次医療、2次救急、リハビリテーションや健診も含めた医療を市民に提供する役目を担っています。

 新病院竣工からこの4月で丸2年になります。もとの病院が老朽化し、建て替えと同時に、アメニティーや医療機器も最新のものに入れ替えました。以前から当院の強みである循環器内科、心臓血管外科についてはHCUなどを備えて高度急性期に対応すると同時に、別棟であった心臓血管病センターも院内に移し、心臓カテーテル検査装置、ハイブリッド手術室なども整えました。

 また、回復期リハビリテーション病棟と地域包括ケア病棟の機能を取り入れるため、できるだけ廊下やリハビリ室を広くとり、屋外の運動スペースも設置。スタッフもPT、OT、ST合わせて51人体制で、市民のみなさんに、高度急性期から急性期、回復期、維持期、生活期に至るまで、シームレスな医療を提供できるよう努めています。

 他にも県央地域では唯一の全身麻酔に対応できる歯科・口腔外科があり、健診事業も個人・企業健診も含めると年間に8000件ほどを実施。常勤保健師が3人おり、市民の健康志向に応える健診センターを備えることができました。

 当院が所属する地域医療振興協会では、医師が離島に医療支援に向かうためのヘリコプターを提供しており、当院がその運航調整を担当しています。

 従来の移動手段であるフェリーや航空機だと時間や天候の制約があり、1泊2日で行っても十分に診ることができませんでした。このヘリの場合は、主に五島地域へ、長崎空港のヘリポートから飛んで、日帰りで夕方には戻ってくることができます。

 救急のヘリとは異なり、あくまで医師を搬送する事業で、原則は朝から夕方まで、月曜から木曜の4日間毎週運航。離島へ戻る患者さんで人工呼吸器などの問題で一般の航空機に乗れない場合には、同乗して搬送する対応もとっています。

 また、地域医療振興協会としては、東日本大震災時に初めて独自の医療チームの派遣を行い、当院からも29人が宮城県女川町立病院に赴きました。これを機に災害医療への意識が高まり、熊本地震に際してもスタッフを派遣。今後も、災害医療に積極的に取り組んでいきたいと思っています。


―現状の課題や目標を。

 全国の自治体病院同様、医師不足や診療科の偏在は大きな課題ですが、今のところ、長崎大学や久留米大学、地域医療振興協会内の病院からの派遣、自助努力により、どうにか運営できる体制となっています。看護師やセラピストは大村市内に学校があり、当院が実習先ということもあって十分に採用できる環境があります。

 離職率が低いのは、喜ぶべき特徴です。運営方針として「地域から愛され信頼される病院にするためには、職員が働き続けたいという病院であること」を掲げています。働き方改革を含めて、職員が働きやすい病院であるよう経営企画室を設けて、職員の意見を積極的に取り入れるようにしています。

 大村市は人口9万6千人余り、高齢化率が24%と国の平均より若い町です。2025年にも人口がほぼ維持できると言われていますが、今後は、高齢者が増えても対応できるよう時代の流れに乗り遅れず、トレンドをしっかりキャッチして地域の方のニーズに応えられる医療を続けていきたいと思っています。


公益社団法人地域医療振興協会 市立大村市民病院
長崎県大村市古賀島町133―22
☎0957―52―2161(代表)
https://omura.jadecom.or.jp/


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