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院内託児所で子育て応援 介護医療院も開設

院内託児所で子育て応援 介護医療院も開設


理事長(きもと・けいこ)

1993年帝京大学医学部卒業、鹿児島大学医学部小児科学教室入局。
鹿児島市医師会病院、熊本大学医学部附属病院(現:熊本大学病院)などを経て、
1997年医療法人碩済会入職、2000年から現職。

 姶良市と奄美大島で五つの医療・介護施設を持ち、地域密着型の医療を展開している。人材確保が難しい地域とされるが、院内託児所を開設して女性職員の定着率が向上したという。「患者さん第一の医療は働きやすい職場環境があってこそ」を貫いている。

―「子育て応援企業」です。工夫されていることは。

 働く環境を整えるための人材確保が非常に厳しいという現実があります。私も2児を抱えて仕事をしていたので、子育てをしながら働く大変さはよく分かります。女性看護師の場合、入職後4、5年して一人前になった頃に結婚、妊娠で辞めるというパターンが多いですね。

 産休や育休の後に復帰してもらうには院内託児所が必要だと、2009年1月、鹿児島市本名町の吉田記念病院に託児所を開設。加治木記念病院には2012年に設置しました。吉田記念病院では4歳まで、加治木記念病院では就学前までの乳幼児それぞれ7、8人を預かっています。託児所は医療職、事務職に関係なく利用できます。

 大島保養院は、精神科がなかった奄美大島南部に初代理事長の父が1967年に開院しました。奄美大島では子ども連れで働くのが当たり前だった時代で、開院時から託児施設があります。その託児所で育った子たちのうち十数人が、今は職員として働いています。

―託児所開設の反響について聞かせてください。

 ホームページや看護師紹介所で「託児所あり」を知って応募する人や産休後の復帰が増え、定着率が上がりました。

 産休復帰後は子育てのために時短勤務を希望する人が多いため、夜勤に従事する人のやりくりに悩んでいます。「夜も子どもを預けられたら夜勤ができます」という職員もいるので、月に1、2回程度、夜間保育を可能にするための調整をしている最中です。

 託児所を利用する人に安心して働いてもらうには、預かった子どもの安全を確保すること。託児所内の設備はすべて乳幼児仕様にしていて、事務長が毎日見回っています。

 また、福利厚生の一環として職員休憩室の整備を考えています。医療と介護の現場で、患者さんをお世話するのは重労働で、ストレスもかかります。リセットする空間が重要です。職員が心身共に疲れていると、患者さんのためにもなりません。快適な休憩室に変えていく具体策を進めています。

―特色のある医療とグループ内の連携は。

 女性の予防医学が大切だと痛感しています。子宮がんや乳がんが増えているのに、女性は夫や子どもを優先して自分の健康管理を後回しにしがちです。両方のがん検診を同時に受けられたら受診者が増えるのではないかと考え、産婦人科のフィオーレ第一病院にマンモグラフィーを導入。子宮がんと乳がんをセットで検診できる仕組みをつくりました。乳がん検診の結果、必要があれば地域の専門医療機関と連携して、治療に当たっています。

 グループ内の病院は領域も施設基準も異なるので、各病院の院長、事務長、看護部長が情報を共有して問題を解決しています。

―新しい取り組みは。

 超高齢社会を見据えて2019年10月、吉田記念病院を全面リニューアルし、2階部分90床を介護医療院に転換しました。2018年4月に法制化された施設で、長期的な医療と介護の両方が必要な高齢者を対象に、医療と生活施設の機能を提供しています。

 桜島が見える、ゆったりとした談話室を設けて、ご家族との面会や趣味を楽しめるよう工夫しています。患者さんも職員も同じ地域の人々です。今後もその人々に何ができるかを常に考えて、地域に根差した医療に取り組んでいきます。

写真は吉田記念病院

医療法人 碩済会
鹿児島県姶良市加治木町木田1394―4―2
☎0995―62―2594(法人事務局)
https://www.sekisaikai.jp/

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